開業医インタビュー ひろた胃腸内科外科クリニック 廣田淳院長

父の開業地で開院。自分のスタイルで診療を行う

※1489magazine vol.14―2014年8月発行号より転載

ひろた胃腸内科外科クリニック
〒240-0036 神奈川県横浜市保土ヶ谷区新桜ヶ丘2-34-18
TEL:045-355-6550
http://www.hirota-clinic.jp

 

横浜市保土ヶ谷区の住宅街にある「ひろた胃腸内科外科クリニック」。
院長の廣田淳先生は日本医科大学をご卒業後、同大学付属病院に入局され、海老名総合病院などにて消化器外科医として研鑽を積まれた後、2012年4月にクリニックを開業された。
お父様の診療所があった場所で、ご本人も小中学校時代を過ごされた思い出深い地での開業である。

ひろた胃腸内科外科クリニック 院長廣田 淳先生

父の影響で医師に

お兄様が二俣川で開業されていたこともあり横浜で開業された廣田院長のお父様。その姿を見てご自身も自然に医師になろうと思うようになったという。廣田院長が日本医科大学の学生だった頃、お父様はがんで亡くなられた。亡くなる直前に自宅のベッドで療養しながら、試験勉強中の廣田院長に「頑張れよ」と声をかけてくれたという。

「消化器外科を選んだのは父の影響が大きいですが、初めから外科に進むつもりでした。小さい頃からプラモデルを作ったり細かい手作業が好きでしたし、ブラックジャックやドラマの影響もあって、外科医になりたいと思っていたので。海老名総合病院は手術が多い病院で、盲腸から膵がんまで消化器外科の手術全般だけでなく、乳がんの手術までしていました。手術は好きだったのですが、勤務医時代は夜中に呼ばれたり緊急手術に対応したりなどしょっちゅうあって大変でした」

開業準備にとりかかったきっかけ

ひろた胃腸外科内科クリニック

廣田院長が開業を具体的に考え始めたのは、海老名総合病院で外科医として忙しく働き10年が過ぎた頃。お父様の開業地だった土地に動きが出てきたことがきっかけだった。

20年前に父が亡くなってから、この土地は会社に貸していたのですが、その契約が切れる時期になって、土地をどうしようかという話が出てきました。もともといずれは開業するつもりでしたし、海老名総合病院での勤務も10年が過ぎたこともあって、今が開業にはちょうどいい時期だと思ったのです」

たまたまその頃に1489magazineが届いたため、気軽な気持ちで医歯薬ネットの開業セミナーに申し込んだという。
「セミナーの細かいことは覚えていないのですが、開業ってすごいなという印象が強く残っています。セミナー終了後の個別相談会で色々と細かい話をして、任せられるなと感じたので契約を決めました」

医歯薬ネットと開業支援契約を結び開業準備を始めることになった。すでに開業地は決まっていたが、開業地は駅から遠い古くからの住宅地であり、不安に思うこともあったという。
「交通の便がよくない閉鎖的な地域ですので、患者さんが増えていくのかは気になりました。裏は山ですし、診療圏調査もあまりよい結果は出なかったですが、ここで開業したいという気持ちの方が大きかったですね」

自分らしい開業スタイルを追求

ひろた胃腸外科内科クリニック受付

理想通りのリゾートのような明るい佇まいの建物も完成、廣田院長が思い描いていた開業のイメージが一つひとつ形になり、クリニックは2012年4月に開業した。
内科・胃腸内科・外科・整形外科・皮膚科・泌尿器科・乳腺外科と幅広い科目を標榜している。

「私のクリニックは高齢の患者さんが多いのですが、色々な病気を抱える方がいくつもの医療機関に通うのは大変ですし、広い範囲をまず診て、専門知識が必要な場合は病院をご紹介するというここのやり方は患者さんに喜ばれています。私の父が整形外科や外傷など幅広く診察していて、牽引器などのリハビリ機器を使っていたのを見ていたので、このスタイルは私にとっては慣れ親しんできたものなのです」リハビリテーション室

土日診療や院内処方を行っているのも患者さんのことを考えた結果だ。
「土日は緑区や西区など広いエリアから患者さんがいらっしゃいます。土日診療を行っている医療機関は少ないので、患者さんはインターネットで検索などしてこちらにいらっしゃるんです。院内処方にしたのは、その方が患者さんは楽ですからですね。クリニックにお薬の利益はほとんどないのですが。一般的なクリニックではやらないことでも、自分がいいと思ったことは積極的に取り入れています。実際、『土日やっていてよかった』とか『いろんな病気を診てもらえて助かる』と患者さんからよく言われます」
患者さん側に立った経営方針もあり、患者数は開院前の予想値よりも初年度から上回り、着実に増え続けているという。

開業医としての心構え

勤務医時代は診察が早かったという廣田院長。しかし、開業した今はできるだけ患者さんの話を聞くように心がけているという。
「年上の患者さんは人生の先輩でもありますし、よくお話を聞いて、尊重する気持ちを忘れないようにしています。海老名総合病院での私の師匠ともいえる内山喜一郎先生と名取穣治先生は、誰に対してもいつも平等で、患者さんに対して全く偉ぶるところがない先生方でした。そういう患者さんへの接し方はすごく勉強になりましたし、今も先生方の態度をいつも思い出して診療するようにしています」

地元での開業ということで、クリニックには廣田院長の子供の頃を知る近所の年輩の患者さんも多く訪れる。
「父が亡くなる20年以上前に通院していた患者さんが来てくれて、『いい先生でしたよ』とか『ずっとお世話になっていました』など話してくださるととても嬉しくて、ここで開業して本当に良かったです。父は末期がんに侵されながらも、患者さんや私たち家族のためにぎりぎりまで診療を続けていましたが、そういう所が患者さんからも信頼されていたのだと感じます。また、母は明るく社交的で近所付き合いがよかったので、その縁で来院される患者さんも多く、父の死後3人の兄弟を育ててくれたことにも感謝しています。私も父のように、地域の方々に信頼されるような診療をしていきたいと思っています」

(掲載内容は2014年掲載時のものとなります)

 

Doctor’s Profile

弊社が開業支援をさせていただきました

開業の成功のためには、多方面にわたる検証が必要になります。今回ご紹介させていただいた廣田院長のように、開業地がすでに決定している場合でも、その地での開業の妥当性を調査し、なるべくリスクの少ない開業を実現しなければなりません。弊社は開業地探しから開業後の経営相談・税務会計顧問業務まで一貫してサポート。プロのコンサルタントによる経営アドバイスにより開業後の経営も安心です。
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