2024年10月25日
医師の「働き方改革」施行から約半年、先生方はどう感じていますか?
2024年4月より、医師の働き方改革の新制度が施行されました。
施行から約半年、医療現場で働く医師の皆さまは、働き方改革による変化をどのように感じていますか?
医歯薬ネットのYouTubeチャンネルにて2024年10月23日にアップした動画「2024年、病院経営の先行きに暗雲か」では、
病院経営や今後目指すべき新たな地域医療構想など多様な話題を取り上げる中で、医師の働き方改革についても触れております。
弊社顧問であり東邦大学医療センター大森病院 消化器センター外科教授の島田英昭先生と共に繰り広げたトークを、本ブログでは抜粋してお伝えいたします!
政府が掲げる「働き方改革」とは、安倍晋三元首相が推進した「一億総活躍社会」の実現に向けた取り組みの1つです。
「働き方改革」3つの狙い
1.長時間労働の是正
過労死などを受け過重労働を抑制する機運が高まる
2.多様で柔軟な働き方の実現
少子高齢化、生産年齢人口の減少による
女性や高齢者の働き方を多様な働き方が選択できる制度改革に移行
3.雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
正規雇用労働者と非正規雇用労働者の賃金・待遇格差を解消するために
「同一労働・同一賃金」という制度が導入
この「働き方改革」について、島田先生はどのように考えているのでしょうか……
島田 英昭先生
10年ほど前から日本社会で「過労死」問題がクローズアップされるようになりましたが、若手医師を中心に過労死・過労自殺が起こる現状が浮き彫りになったことで、長年の準備期間を経てついに医療現場でも施行されました。
この制度を一律に全ての医師に課すべきかという問題ですが、これには日本独特の社会構造を考える必要があります。
日本人は強制されないとやらない、ルールとして定めないとできない(休めない)という独特の社会構造なので、制度化は必然的であると理解しています。
しかし実情として、医療現場からは「労働時間を守りながら救急対応にあたるのは難しい」「もっと働けるのに(働きたい)」という声が上がっています。
個々人の体力やキャパシティーが異なる中で、一律に労働時間を制限することは厳しすぎるのではないかと感じる反面、緩めてしまうとどの業界でも「働けるということにしなさい」と忖度を求められる危険もあります。
森田 健一(医歯薬ネット代表取締役会長)
日本は世界的に見ても国民の祝日が多い国なので、昔と比べると労働時間は減少していると思います。
収入面を考えて、もっと働きたいという医師は沢山いらっしゃいますよね。
島田 英昭先生
アメリカでは副業が当たり前なので、日本の医師も兼業すればいいのではないかという考えになりますよね。
しかし兼業先でも当直は禁止ということになっているなど、なかなか苦しい状況です。
大学病院でも、レジデントや助教と呼ばれる先生方は、年収ベースだとだいぶ収入は減っていると思います。そうなると、大学を辞めようという流れになってしまいます。
国は過労死の問題に真剣に向き合い、日本ならではの社会構造も理解したうえで一律に「働き方改革」を施行し、
現実に即した制度になるようにA水準やB水準を定めるなど手も打っていますが、このままで良いのか、難しい問題だと思います。
医師の「働き方改革」は始まったばかりですが、皆さまはどのように感じているでしょうか。
今の働き方のままでいいのか、それともクリニック開業も含めて新たな働き方を検討するか……
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セミナー情報
< 2024年、病院経営の先行きに暗雲か >
※働き方改革については、53:18~より。動画の概要欄からすぐにご覧いただけます。
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