2023年1月13日
在宅診療を考える際に留意したいこと
皆さんこんにちは!医歯薬ネットです。
突然ですが、
在宅診療のメリットとデメリットって何だと思いますか?
実際に弊社のオンラインセミナーをご視聴される先生や
個別相談をご希望の先生の中でも、
病院で在宅診療を担当していらっしゃったり、
在宅診療に関心をお持ちだったりする先生は多くいらっしゃいます。
今回は弊社が先生からご相談を受ける際に伺った
在宅支援診療所開業についてのお話をしてまいりたいと思います!
①24時間365日対応
在宅医は地域のかかりつけ患者のために、365日24時間常にオンコール対応を行なっています。
ご開業後は10年20年とお仕事が続きますが、
40歳で開業したとして、50歳60歳、その先も今と同じような診療を続けられるでしょうか?
一般外来クリニックにも言えることではありますが、
在宅診療は先生が足を運ぶという手間と、いつ急変してもおかしくない重篤な患者さんの診療を行うことを考え、
より一層ご自身の体力を考慮する必要があります。
②営業力のある既存ライバルに勝てない
一般外来クリニックは平常時も初診の患者さんが集まりやすいですが、
在宅診療は開業時から患者さんを抱え込めるようにしなければなりません。
既存のクリニックとは異なる独特の営業力が必要となります。
③対応スキルの幅が広い
在宅診療を受けられる方は重篤な症状の方が多く、
併発疾患をお持ちの方には内科的な処置のほか、症状によっては外科的処置を必要とする場合もあります。
ところで在宅診療ではどのような疾患を診ることが多いのでしょうか?上位の疾患を見てみましょう。
①循環器系
②認知症
③脳血管疾患
④外科系疾患
⑤糖尿病
⑥呼吸器疾患
⑦難病
上位の疾患だけでも、これほど系統の違う疾患が並んでいます。
在宅診療を行う先生は、ご自身の専門の一般外来クリニックを構えるよりも広範囲の診療を行うこととなり、
求められるスキルも高くなるのです。
④医師会、薬剤師会、看護師会との連携が複雑
上記以外の業者との連携も必要となりますが、パイプを作るためには先生側から歩み寄る必要がございます。
こうしたことに慣れていなかったり、不得手である、という先生ももちろんいらっしゃいますから、
他者との連携をとることにハードルを感じる方が多いようです。
①初期費用が少ない
例えばテナントで通常のクリニックを開業する場合に
物件、医療機器を揃え、運転資金込みで7,000万円ほど必要だとすると、
在宅の場合は事務所や医療機器を揃えて最低2,000~3,000万円ほどで収まりますので、
開業にあたって借金を増やしたくないという方は初期費用の少なさを魅力的に感じるかと思います。
②将来患者が減らない
少子高齢化が進む日本では総人口の減少は進んでいるものの、65歳以上人口はほぼ横ばいで推移します。
2025年はいわゆる「第一次ベビーブーム世代」が一斉に75歳になる年であり、
日本の医療・介護需要は更に高まることが予想されます。
在宅診療のメインターゲットであるこの年齢層の人口が一定数居続けるということは、
将来的にも安定して患者さんの確保が可能で、安定した経営を維持出来るということです。
人口動態のグラフは下記の動画にて紹介しておりますので併せてご覧下さい。
③クリニックの多い中心地区での需要がある
競合のクリニックが多く、一般的な開業は難しいという場所でも、
在宅での開業でしたら可能である、という利点もございます。
またクリニックに通われている患者さんの中には、
高齢のため移動するのが辛い、寝たきりの状態や車いすでの移動が大変で
在宅診療を受けられるのならそちらがいい、という方もいらっしゃるため、
そういった患者さんに需要のある診療が出来るかと存じます。
他にも在宅診療のメリットといえば診療点数が高い点ですが、
これは今後在宅診療を行うクリニックを増やすための一時的なものと考えた方がよろしいかと存じます。
現在既に財政がひっ迫している中で、在宅診療がある程度広まったら点数が減るのは自然なことと言えます。
売上に繋がる診療点数に関してこちらに決定権がないのが開業の怖いところですので、
一般外来クリニックについては大幅に点数が変わることは基本的にないかと存じますが
在宅診療は今後の広まりによって大幅に点数が変更される可能性がございます。
開業後は10年20年30年……と人生をかけて続けていくお仕事になりますので、
目先の数字にとらわれず、ご自身の将来と相談しながら開業形態や標榜科目を決定することをお勧めいたします。
今回はこちらの動画を参考にしております。
動画内では診療点数についても詳しく解説しておりますので
ぜひご覧ください♪
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