2024年4月5日
地域医療構想による医療提供体制の再構築~医療業界の今後の展望~
みなさんこんにちは!
本日は、医歯薬ネットのYouTubeチャンネルにアップロードした
「【混迷を深める医療業界】公費(税金)に依存する医療業界は、格差拡大が到来」でお話している
「地域医療構想」についてお話しいたします。
地域医療構想とは、中長期的な人口構造の変化(一時的に高齢者が増え、生産労働人口が減っていく)や
地域の医療ニーズの質・量の変化を見据え、
医療機関の機能分化・連携をすすめ、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制の確保を目的とした医療提供体制の見直しのことです。
各構想区域で地域医療構想調整会議を行い、各医療機関が役割を話し合い、地域医療で果たす役割の分担・合理化を図ります。
下記では、地域医療構想の制度や進捗状況を、第107回社会保障審議会医療部会の資料を参考、引用しながらご説明いたします。
病床機能報告制度は、各医療機関が医療機能の「現状」と「今後の方向」を4つの選択肢から自ら1つ選び、都道府県に報告する制度のことです。
これによって各医療機関の役割を明確にし、医療機関の役割分担、合理化へと活用します。
引用:第107回社会保障審議会医療部会「地域医療構想の更なる推進について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001230825.pdf
消費税を財源として、各事業者に補助金を配ることで、各都道府県が必要とする病床数への調整を促すねらいがあります。
全体の7割が目標設定をしていて、3割が設定をしていません。
設定ができない明確な原因を報告するように求めていることから、政府はこの取り組みを確実に進めていこうとしていることが伺えます。
全体の85%が「対応方針の策定率が100%」または「対応方針の策定率は100%となる見込み」と回答しています。一方で、15%は「対応方針の策定率は100%とならない見込み」と回答しています。
こちらの項目も「地域医療構想の推進に係る年度目標の設定状況」と同様に、「対応方針の策定率を100%にできない理由」を明確に報告させていることから、有耶無耶にせず、きちんと地域医療構想を進めていく気概が伺えます。
このほかにも、再検証対象医療機関における対応状況・外来医療の議論状況・在宅医療の議論状況等の報告もおこなわれ、徹底的に地域医療構想を進めていく姿勢が感じられます。
では、政府が医療提供体制の見直しを実直に進めている理由はなんでしょうか。
それは、将来にわたって日本の医療体制を持続可能なものにするためです。
医療業界は、公費に支えられている側面があります。
そして、医療を支えている日本の経済状況は、円安が進み、貿易収支の赤字が続き、生産労働人口減少によって税収が不足し、悪化傾向にあります。
このような財政悪化の状況下では、現状の医療体制を支えていくことが困難です。
医療提供体制を見直すことで、長期的にも持続可能な医療体制を確立することが求められています。
ここまで、地域医療構想の概要や進捗についてお話ししてきましたが、最後に今後の主な課題を5つご紹介します。
このような課題に対して政府は、「病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等を含め、地域の医療提供体制全体の地域医療構想として検討」することを予定しています。
引用・抜粋:第107回社会保障審議会医療部会「地域医療構想の更なる推進について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001230825.pdf
このように地域医療構想が進むと、クリニックの持つ役割は以前よりも大きなものとなっていきます。
たくさんの患者さんを受け入れることができる規模で、病院並の検査を行うことができる大型クリニックが台頭することが予想されます。
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今回ご説明した内容は、こちらの動画でさらに詳しくお話ししております。
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