開業医インタビュー 中央脳神経外科 柿澤敏之院長

最新のMRI を備えたクリニック―手厚い認知症ケアなど患者の身になった医療を実践

※1489magazine vol.7―2012年5月発行号より転載

中央脳神経外科
〒360-0018 埼玉県熊谷市中央1-142

日本では「脳神経外科医」という呼称が使われるが、世界的には「神経外科医」として、脳を含めた神経全体を扱うのが一般的だ。中央脳神経外科の院長である柿澤敏之先生は、脳外科医として主として血管障害に取り組んでこられたが、世界基準の神経外科医でありたいと北海道大学に国内留学し、脊髄を学んでいる。

柿澤院長は、群馬大学を卒業後、同大学脳神経外科に入局。その後、熊谷総合病院、関東脳神経外科病院、山梨医科大学などでご経験を積まれた。2011年10月に埼玉県熊谷市にてMRIを備えた「中央脳神経外科」を開業。地域の人が気軽にMRI検査を受けられるクリニックとしてだけでなく、認知症に関しても手厚い診療を行っている。

中央脳神経外科 柿澤敏之院長

開業の動機

中学生の時、「赤ひげ診療譚」を読んで感銘を受け、医師という職業を意識し始めた柿澤院長。「自分も人の役に立つ職業に就きたい」と医師となり、勤務医として働く中、次第に「自分のやりたい医療を実践したい」という気持ちが強くなっていった。

「患者さんが病院の脳神経外科にいらっしゃるのは、通常症状が出た後なので、治療により命は助かっても障害が残ってしまうことが多い。その前の段階で治療することが必要ですが、病院は患者さんにとって敷居が高く、気軽に来院することは難しい。高血圧や糖尿病といったいわば脳卒中予備軍の患者さんが気軽に受診していただけるようなクリニックで発症予防に取り組みたいと、開業を考え始めました」

また、熊谷総合病院の勤務医であった時、「物忘れ外来」の担当をした経験から、認知症には思い入れが強い。
「『物忘れ外来』では、患者さんご自身とご家族のサポートとで、一人ひとりにかなりの時間がかかります。しかし、総合病院では病棟を見たり手術をしたりと、認知症に割く時間はあまり取れない。ですから、認知症の方やそのご家族が気軽に相談できる窓口的なことをクリニックでやりたいと思ったのが、もう一つの理由です」

開業地選定 ―持ち土地から建て貸し物件に

中央脳神経外科

当初は埼玉県本庄市にご両親が所有する土地での開業を考えていた柿澤院長。医歯薬ネットの開業コンサルティング担当者は、本庄市と、当時先生が勤務してい
た病院とご自宅がある熊谷市を比較・分析した。その結果、人口に対するMRI検査数の割合は、本庄市に比べ熊谷市は3倍以上も多いことがわかった。さらに、柿澤院長が希望していた1・5テスラのMRIを導入するとなると、初期費用の負担は大きい。そこで担当者はクリニックの建築費が必要である本庄市での開業よりも、熊谷市の建て貸し物件※を提案した。

 「医歯薬ネットさんのセミナーに出て、それまでぼんやりと考えていただけだった開業が、急に具体的なものとなってイメージされてきました。事前に開業資金の貯金はしておらず、初期費用を抑えたかったので、土地オーナーさんが建築費を負担してくれる建て貸し物件は魅力的でした。また、紹介された土地がメインストリート沿いでバス停にも近く、敷地内に駐車場も20台近く取れ、患者さんが来院しやすい場所であることもよかったですね」

※土地オーナーの費用でクリニックの建築及び内装工事をおこない、長期(15年から20年)で借り受ける契約を結ぶ開業形態のこと。今回の中央脳神経外科のケースでは、クリニックの建物本体から、空調工事やX線室、MRI室の特殊工事に至る費用をオーナーが負担した。

患者さんの側に立ったクリニックを

寛げる待合室

クリニックを開業するにあたって、柿澤院長がこだわったのは「患者さんにとってかかりやすいクリニック」にするということ。通いやすい場所に開業しただけでなく、院内に工夫を凝らしている。
「BGMとしてジャズが流れる待合室には、カウンターとソファーがあり、患者さんがコーヒーやチョコレートなどを召し上がることができます。雑誌は20誌程度取り揃え、各部屋に飾っている写真は、自然写真家のピーター・スコーヴ氏に依頼して月ごとに変えています。また、認知症にいいアロマの香りが院内に漂うよう、アロマディフューザーを使っているんですよ」
喫茶店のような明るくゆったりとした待合室なので、患者さんは待ち時間も心地よく過ごすことができる。

「例えば認知症の方が初診で来院されると、まず私がご家族を交えて患者さんを診察する。次にMRIの撮影時間を利用して、認知症ケア専門士である妻が患者さんとの接し方や認知症についてご家族にお話しし、最後に私が画像所見を含めて説明するという流れです。そうすると、一時間ではとても終わりません。しかし、患者さんにはそれぞれの症状や家族状況にあわせたオーダーメイドの診療が必要なのです。効率はよくないですが、患者さんは非常に満足してくれます。患者数が増えていくと時間配分は難しくなると思いますが、今後もこのスタイルをできるだけ維持していきたいと考えています」

市の脳ドック検査助成指定医療機関に

中央脳神経外科MRI

丁寧な診療と、最新のMRI機器で検査が受けられることが評判を生み、患者数は順調に増加し、現在では1日30名を超えることもある。加えて、この4月から、熊谷市の脳ドック指定医療機関となった。

開院してからまだ半年経ったばかりであり、現在はクリニックを軌道に乗せることが一番の目標だが、ゆくゆくは実現したいことがある。
「将来的には、クリニックに併設して認知症ケアの施設を作ろうと思っています。既存のグループホームと違った、医療と介護が一体化した認知症ケア施設を作るのが夢ですね」

(掲載内容は2012年掲載時のものとなります)

 

Doctor’s Profile

弊社が開業支援をさせていただきました

開業を成功させるにあたっては、まずは適切なマーケットでの開業物件を探索することが不可欠となります。しかしながら、好条件の診療圏だけで成功に結び付くわけではありません。
今回ご紹介させていただいた柿澤院長のように、患者さんの身になって工夫を重ねる必要があるのです。弊社は、開業地探しから開業後の経営相談・税務会計顧問業務まで一貫してサポートさせていただいておりますので、開業後も定期的な経営アドバイスをしてまいります。
開業をお考えの先生は、まずは弊社開業セミナーにて開業に関する知識を得てみてください。

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