※1489magazine vol.20―2016年9月発行号より転載
安堀太田町クリニック
群馬県伊勢崎市にて2013年5月に開院した「安堀太田町クリニック」。院長の大木茂先生は山梨医科大学卒業後に地元前橋に戻り、群馬大学第二外科に入局。総合的な外科を扱う医局で心臓血管外科から消化器・一般外科を専門とし、幅広い外科の技能を身に付けた。
開業したクリニックではその経験を活かし内科、外科、消化器内科、循環器内科、皮膚科、整形外科を標榜している。豊富な検査機器を導入し、検査で受診される患者さんも多い。開業して3年、患者数は順調に増え、今年7月には医療法人化を果たした。
「外科は検査した画像を見て判断し、手術をするというシンプルでわかりやすいところがいいと思い進みました。群馬大学の第二外科は消化器外科、乳腺・内分泌外科、心臓血管外科、呼吸器外科がそろった総合的な外科で、全身が診られる医局なのです。入局した時の教授が心臓血管外科を専門としており、私は心臓血管外科に所属することになりました。心臓外科は手術時間は長いし、術後の管理もあって夜遅くまで勤務することは多かったですね。そのうちその心臓外科の教授が退官され、消化器外科が専門の教授が着任されました。その後、医局内の人事で消化器・一般外科へ移ることになりました。消化器・一般外科で5年位経験を積み、それまでの循環器だけでなく消化器なども診ることができるようになりました。それで、そろそろ独り立ちして開業するのもよいのではないかと思うようになったのです」
もともとは開業を考えていなかった大木先生。何から手をつけてよいのかわからず、まずはインターネットで開業について調べることにした。
「開業はもちろん経験したことがないので右も左もわからず、インターネットで検索した開業支援の会社2社ほどに連絡してみました。何度か面談してみると、医歯薬ネットさんは細かいところまで全部やってくれるということだったので、それはいいなと思って開業支援をお願いすることにしたのです」
そこで医歯薬ネットによる開業支援が始まり、まずは開業場所の探索が始まった。ご自宅が前橋市の前橋大島駅近辺にあったので、その周辺で開業用物件を探してもらうことにした。
「前橋市内はクリニックが多く、なかなかいい物件が見付からなくて。でも伊勢崎にならいい物件があると紹介され、見てみると私もいい場所だなと思いこちらで開業することに決めました。この場所は周りに住宅もありますし、前の道路は歩道もあって、車も結構通るので、認知されやすいかなと感じました」
開業場所が決まりクリニックの建築の段階に入った。クリニックのデザインは5社の設計の中から最も目を引いたものに決めた。機器の選定に際しては十分な機器を取りそろえることにした。
「元々外科ですし、的確な診断を行えるように検査機器を入れたいと思っていました。幸いそれに必要なお金が借りられたので、希望通りに入れられることになりました」
マルチスライスCT、上部(経口・経鼻)・下部内視鏡をはじめとし豊富な検査機器を備え、心電図検査・血液検査・レントゲン撮影・骨密度検査・動脈硬化検査・超音波検査・スモーカライザー、ピロリ菌検査などを行える態勢を整えた。診療科目も内科、外科、消化器内科、循環器内科、皮膚科、整形外科と幅広く設定した。
「伊勢崎は地元ではないですし、できるだけ多くの患者さんのニーズに応えられるように診療科目を決めました。開業前の渋川総合病院では外科に所属しながら整形外科や皮膚科の患者さんも診ていたので、経験はありましたから」
2013年5月に開業した安堀太田町クリニック。落下傘での開業であり1年目はあまり患者さんは多くなかったが、2年目に入ると患者さんが次第に増えていった。対応できる検査が多いため検査の受診率も高い。また前面道路のアクセスのよさから、近隣のスバル関連の工場での勤務を終えて帰宅する途中に立ち寄る患者さんも多いという。クリニックの診療は奥様が看護師として支えており、夫婦でクリニックの状況を共有できるのも心強い。今年7月には「医療法人赤青会」として法人化も果たし、経営は順調だ。
「勤務医時代は内科で異常が見つかった患者さんを診察するという立場でしたが、開業して自分で病気を見つけて病院を紹介するという反対の立場になり、責任の重さとこれまでにないやりがいを感じています」
「開業してみて、経営やスタッフさんの人間関係など思った以上に色々と考えなければならないことがあるとわかりました。そういう意味では勤務医の方が気持ち的に楽だったとも思います。けれど一大決心をして開業を決めた以上、全身全霊で取り組んでいます。今は他に主治医がいて検査だけで受診される患者さんも多いですが、今後はより多くの患者さんにここをかかりつけにしてもらえるようやっていきたいと思っています」
(掲載内容は2016年掲載時のものとなります)
地域の実情を踏まえた診療科目と検査機器を準備しておくことが、開業の成功に直結します。今回ご紹介した大木院長は充実した検査機器を備えて開業されましたが、それには資金調達がカギとなります。弊社では豊富な経験を持つ医院開業専門スタッフが金融機関に働きかけるため、これまで融資がつかなかったことはありません。開業地探しから開業後の経営相談・税務会計顧問業務まで一貫してサポートする医歯薬ネット。プロのコンサルタントによる経営アドバイスにより開業後の経営も安心です。開業をお考えの先生は同封のセミナー案内をご覧ください。
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