※1489magazine vol.21―2017年1月発行号より転載
とくまる耳鼻咽喉科
さいたま市南区に2015年2月に開業した「とくまる耳鼻咽喉科」。
駅から少し離れた住宅地にあるクリニックは、院長の徳丸先生の人柄もあって穏やかな雰囲気に包まれている。
開院後2年足らずながら、親身な診療が評判を呼び、幅広い層の患者さんが数多く来院されている。
埼玉県のご実家でお父様が耳鼻咽喉科を開業していた徳丸先生。その姿に日常的に触れていたため、自然に医師になろうと思ったという。慶應大学医学部を卒業後もあまり迷うことなく耳鼻咽喉科に入局した。
「学校から自宅に戻ると父の診察室を通って自分の部屋に行っていたので、父が耳鼻科医として働く姿をいつも間近で見てきました。そのため、医師も耳鼻科も私にとってはとても身近で、自然にその道に進みました。耳鼻科は扱う範囲が広くて手術の分野も結構あることもいいなと感じていましたね」
もともと手術に興味があった徳丸先生。入局後は積極的に手術に入り、扁桃腺の手術から始め、がんの手術を手掛けるようになった。専門は頭頚部がんで、2001年に留学したジョンズ・ホプキンス大学では発がんのメカニズムの研究に取り組んだ。
父親の影響もあり開業はずっと頭の片隅にあったものの、手術や研究は面白く、大学や病院で若い先生たちと共に励む充実した勤務医生活を送っていた。
「弟も耳鼻科医なのですが、早くから開業志向があって、父の死後休院していた実家のクリニックを引き継いで開業していました。また、その下の弟も眼科で開業しています。私は開業への踏ん切りがなかなかつかなかったのですが、年齢が上がってきて、そろそろ腰を据えて地域医療に取り組もうという気持ちになってきたのです」
開業に関して調べ始めた徳丸先生は、医歯薬ネットの開業セミナーを知って参加してみた。
「セミナーの印象はとてもよかったです。『開業医とはこういうものだ』と話された内容が私が考える開業像と似ていましたし、その他の話もとても参考になりました」
そこで医歯薬ネットと開業支援契約を結んだ徳丸先生。まずは開業地探しが始まった。
「開業エリアにはあまりこだわりはなかったのですが、できれば出身地の埼玉県で、弟が開業している場所にはあまり近くないところがいいなと思っていました。駅前の医療モールは私の開業イメージになく、駅前からやや離れた郊外の住宅地で、駐車場を併設しながら単独で開業したいと思っていました。この物件に決めたのは、駐車場がしっかりとれる広さがあって、裏には17 号線が通っているのに落ち着いた雰囲気なのがいいなと感じたからです」当物件は建て貸し※であったため、希望に沿ったクリニック建築が可能だった。
徳丸先生が目指していたのは「地域のかかりつけ医」。小さな子供からお年寄りまで、幅広い患者さんに気軽に来てもらえるようなクリニックを作りたいと、木目調であたたかい雰囲気のクリニックにした。機器なども幅広い症状に対応できるよう備えた。
「0からのことなので、開業準備は大変でした。勤務医は場所が提供されているところに行って医学の知識で仕事をすればいいのですが、開業の準備にはソファー1つ選ぶにも悩みますし、薬や機器などすべて自分で考えて決めなければいけませんから」
※土地オーナーの費用でクリニックの建築及び内装工事をおこない、長期(15年から20年)で借り受ける契約を結ぶ開業形態のこと。
開院してもうすぐ2年。「とくまる耳鼻咽喉科」には小さな子供からご年配の方まで幅広い患者さんが来院し、経営は極めて順調だ。
「開業してすぐに、花粉症でたくさんの患者さんに来ていただけました。夏になると患者さんは減りましたが、冬の風邪の時期になるとまた増えて、一年通じてみると風邪と花粉症の時期がピークになりますね」
近隣に住む方が患者さんの中心だが、17号線を通って蕨や戸田などから車で来る患者さんも多い。お子さん連れの場合は近所のクリニックに自転車で行くよりも車の方が便利だと、埼玉の広いエリアから車で来院されるという。
父親が患者さんにかなりやさしく接していたという話を聞いていた徳丸先生は、自身も患者さんにやさしく接するよう心がけている。その診療の評判を聞いて来院される患者さんも多い。
「態度や言葉遣いだけでなく、処置もなるべくやさしい感じになるように診療しています。患者さんは口コミとHPでいらっしゃる方が多いです。HPは開業時は急ごしらえだったので一年経ってリニューアルしました。他にも機器を追加したり、スタッフのウェアを変えたりなど、よりよいクリニックになるように少しずつ手を加えています」
開業してみて、勤務医時代より患者さんとの距離がかなり近くなったことを感じるという徳丸先生。家族ぐるみで診ることも多く、お子さんの成長を目にすることもできる。自分が治療して治ったことがはっきりわかるのも勤務医ならではの醍醐味だという。
「耳・鼻のことで困った時には『とくまる耳鼻科に行こう』といってもらえるようなクリニックになればいいなと思っています。開業準備をしている時は大変でしたが、開業すればすべて報われます。とてもやりがいがある仕事ですし、頑張ったら頑張っただけのことがありますから。
スタッフの皆さんがよくやってくれていることにもとても助けられています。開業前には開業後のトラブルの話を色々と聞いていたのですが、実際に開業してみると心配していたようなトラブルもなく、思っていたよりも開業して良かったです」
(掲載内容は2017年掲載時のものとなります)
【所属学会・資格】医学博士、日本耳鼻咽喉科学会(認定専門医・補聴器相談医)、日本気管食道科学会(認定医)、日本アレルギー学会、日本癌治療学会、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、身体障害者福祉法第15条指定医
ニーズのある場所で適切な開業をすることが、開業の成功の秘訣です。今回ご紹介した徳丸院長のように駐車場を備えた単独での開業を希望する場合、それに見合った適切な物件を探索する必要があります。弊社では医院開業物件の特性を熟知した不動産の専門家が物件を開発し、先生に適した物件をご紹介します。確実に開業までサポートした後は、会計・税務の担当として医院経営を支えていくため安心です。
開業をお考えの先生は、まずは弊社開業セミナーにて開業に関する知識を得てみてください。
セミナーお申し込みはこちらへ