開業医インタビュー 北上尾クリニック 中野 琢巳院長

家庭医として地域で親しまれ、自由度の高いクリニックを築く

※1489magazine vol.26―2018年9月発行号より転載

北上尾クリニック
〒362-0001 埼玉県上尾市上144-2    TEL:048-779-2111    http://www.kitaageo-cl.jp

 埼玉県上尾市の北上尾駅から徒歩約10分の場所にある「北上尾クリニック」。地域の中核病院で救急医療に携わり幅広い疾患に対応してきた経験をいかし、院長の中野先生は一般内科から小児科・皮膚科、簡単な外傷処置まで診療し、CTや内視鏡などの各種検査、海外渡航向けワクチンも含めた予防接種、自費診療まで、地域のあらゆるニーズに応えるべく診療を行っている。
今回は院長の中野先生と、開院時から共にクリニックを支えている看護師・事務長の田邉さんにお話を伺った。

北上尾クリニック院長中野先生、看護部課長・ 事務長 田邉さん

北上尾クリニック院長中野琢巳先生、看護部課長・ 事務長 田邉昇さん

開業を決意した理由

高知医科大学に入学した中野先生は、所属するラグビー部のコーチであった耳鼻咽喉科の先生の影響で卒業後は耳鼻咽喉科に入局し、その後に第一外科へ入り直した。第一外科での研修が終わると関連病院を回り、主として救急医療に携わった。
「高知県の救急病院に2~3年から5年といった単位で行くことが多かったので、私の専門は消化管外科ですが、外科だけでなく整形や小児科、脳外など、いろいろな症例に対応していました。その経験はすべて開業した今、役立っています」
学位取得後に医局を退職し、流山総合病院 (現 千葉愛友会記念病院)の外科での勤務を開始した中野先生。そこで現在クリニックの看護部課長・事務長である田邉さんとも出会った。
「千葉の病院で当直や手術をしていたのですが、2011年の9月に休暇を取ってキャンプに行った時に、妻が重症の脳出血を起こし、身障者になってしまいました。介護が必要になりその時間を確保するために外科から内科に移りました。私は当時すでに50代に入っていたので、その後の勤務契約や条件を考えると入院費用などが厳しいのではと、それまで全く思ってもいなかった開業を考えるようになりました」
開業を考え始めた頃、病院の医局で1489magazineを見た中野先生は、千葉でのセミナーに気軽な気持ちで参加してみたという。セミナーに参加したことをきっかけに開業について具体的に考えた結果、医歯薬ネットと開業支援契約を結び開業準備を進めることにした。

開業後のリニューアル

北上尾クリニック前道路

交通量の多い生活道路沿いに立地

当初は千葉の勤務地周辺での開業をメインに考えていたが、高知の出身であり開業場所にこだわりはなかっため、埼玉にもエリアを広げて検討した。
「ここはオーナーさんがよい方だと聞きましたし、上尾中央総合病院も近くにあるので決めました。我々がいた千葉愛友会記念病院は中央グループの系列だったので、すぐ近くに紹介できる病院があるのは助かります」

 開業するにあたって田邉さんに声を掛け、クリニックのスタッフとして迎えることにした。

「彼は手術室など幅広く経験していて能力があるので、診療をサポートしてもらいたいと思ったのです。性格もよくて信頼できますし、事務的なことも任せられます。本当に色々な面で助けてもらっています」

北上尾クリニック中野先生の強い希望でリハビリを導入し、内科、リハビリテーション科、消化器内科、アレルギー科を標榜して2014年4月に開院した北上尾クリニック。しかし、内科クリニックでのリハビリが地域に馴染まなかったのか、リハビリの患者さんは来院しなかった。
そこで医歯薬ネットがマーケットを再度調査し、リハビリをやめて診療科目を変え、休診日だった月曜日にクリニックをオープンすることを提案した。
「自分の家族のことがあるので、開業するクリニックではリハビリを絶対に入れたかったのですが、しばらく経ってもリハビリの患者さんは来なかったので、思い切って捨てることにしたのです」

旧リハ室

旧リハビリテーション室。壁で分割し改修した。

医歯薬ネットの支援を受け、開業一年後に大胆な診療方針の変更に踏み切った北上尾クリニック。リハビリテーション室を改修し、キッズスペースなどを設置した上で、リハビリテーション科の標榜をやめ、新たに小児科、皮膚科の標榜を追加した。
診療日も変更し、それまで休診日としていた日曜、月曜の診療を開始、金曜日のみを休診日とすることにした。

「それまでは土日に当直に行っていたのですが、日曜は患者さんを紹介する先がなく、需要はあるなと感じていたので、日曜診療を開始することにしました。診療科目に小児科と皮膚科を加えたのですが、私は外科時代に巻き爪の処置などもしていて、それは皮膚科でもやることなので傷の処置なども含め対応しています」
 標榜科目を変更してからは来院する患者さんの層が変わって子供が増え、特に日曜日には熱を出したなどで子供が多く来院しているという。
「一般内科の患者さんが多いですが、巻き爪なども含め様々な疾患の方がいらっしゃいます。患者さんの年齢も幅広く、生後30日から100歳過ぎの方まで来院されています。地域の家庭医を目指しているので、初期の症状に対してはできるだけ断らずに診ていますね」

地域の家庭医として

田邉さんはそれまでの病院勤務との違いをこう語る。
「普通の看護師としての仕事はもちろん、内視鏡の介助や事務長の仕事まで必要なことは何でもやっています。病院勤務の時はずっと手術室や内視鏡室で看護師をしていたので、外来で患者さんと接することはあまりありませんでしたが、今は地域の患者さんと密に接する仕事なので気配りも必要です」
田邉さんは、周囲で取り扱いがあまりない海外渡航ワクチンの導入など、クリニックによいと思う情報があれば院長に提案しているという。北上尾CTクリニックではWEBサイトに英語サイトも準備し外国人の受診を促進したり、プラセンタ注射やニンニク注射、男性型脱毛症などの自費診療や禁煙外来など、需要があると思われることは積極的に取り入れている。対応可能な検査項目も多く、内視鏡はもちろんCTも導入している。

「重症疾患は見逃さずに早い段階で見つけたいと思っているので、CTは非常に役立っています。他の病気で来た患者さんの胸をCTで撮影してみると、動脈瘤が見つかった方も複数名いらっしゃいます。何か症状があれば検査して積極的に早目に見つけ、専門の先生に紹介する、というのが一番だと思っています」
「こちらも病院に患者さんを紹介しますが、逆に患者さんを紹介してもらうこともあります。地域の主だった病院との連携はうまくいっていますね」(田邉さん)

標榜科目と診療日を変更してからは来院数も口コミで次第に増え、経営も順調に推移するようになってきた北上尾クリニック。近隣住民の来院がメインだが、日曜日には上尾市外から市を2つ程またいで来院する患者さんも増えてきたという。北上尾内視鏡室
「開業して患者さんがある程度来るようになるまでには思っていたよりも時間がかかりました。地域の方の信頼を得るには時間が必要なので、きちんとした仕事をしていかなければなりません。もともとこちらは縁のない地域ですが、患者さんとはできるだけフレンドリーに接して、敷居が低くて誰でもすぐ来てもらえるような親しみやすいクリニックとしてやっていけたらと思っています」
 現在は三世代で通院している患者さんもいるという当クリニック。田邉さんが知り合いに依頼し、院内でジャズや歌謡曲を演奏する「地域ふれあいコンサート」を開催するなど、診療にとどまらず地域の方に親しまれる場として取り組んでいる。
「開業すると自分のペースで仕事ができますし、当直もしなくなったので体も楽になりました。開業医となったからには、地域に密着した家庭医として頼っていただけるよう、今後もできることは何でもやって、自由度の高いクリニックでありたいと思っています」
(掲載内容は2018年掲載時のものとなります)

Doctor’s Profile

【所属学会・資格】:医学博士、日本内科学会、日本消化器内視鏡学会、日本アレルギー学会、日本小児科学
会、日本リハビリテーション医学会、日本癌学会、日本音声言語医学会、日本乳癌学会、日本癌治療学会

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