開業医インタビュー 南平台かどたクリニック 角田力院長

ホームドクターかつ消化器の専門医として地域社会に貢献

※1489magazine vol.30―2020年1月発行号より転載

医療法人 陽彩会 南平台かどたクリニック
〒569-1042 大阪府高槻市南平台4丁目14-32    TEL:072-697-2001    http://www.kadota-cl.com

 

大阪府高槻市にて2017年6月に開業した「南平台かどたクリニック」。
一般内科から内視鏡など消化器内科の専門的な診療まで幅広く手掛け、着実に地域住民に受け入れられ、患者数を伸ばしていった。2年超で医療法人化を達成し、3年目に入った今も来院数は増加し続けている。
南平台かどたクリニック角田先生

開業を決意するまで

角田力先生は大阪府門真市の出身で、島根医科大学を卒業後、第二内科(消化器・肝臓内科)に入局した。島根で10年近く医師として研鑽を積み、2008年に島根大学の関連病院の中で最も実家に近かった高槻病院に移った。

「私はもともと開業志望でしたが、医者になってみると、今の時代は親が開業医でないと大変だとか色々な話を聞いて、開業は難しいのかなと考えるようになっていました。
高槻病院に来てからも5、6年は全く開業を考えていませんでした。内視鏡など病院でやる手技的なことは好きだったので、このまま病院で働き続けるのもいいかなと考えていました。それでも元々は昔の町医者的なことを求めていたので、45歳が近づいてきて、今後どういう方向で進むかを決めなければならないと思ったのです。
その頃は病院での立場も上がり、外来が減って手技はどんどん専門的になっていき、事務的なことが増えて患者さんとのふれあいが減っていました。今後20数年もこういう形で病院で働き続けて自分は納得できるだろうか?と考えて、まずは開業について話だけでも聞いてみようと医歯薬ネットさんのセミナーに申し込んだのです」

角田先生が申し込んだセミナーは、医歯薬ネットが大阪支社を開設した2015年2月、医歯薬ネットの第1回目の大阪セミナーであった。先生はそのまま3月に医歯薬ネットと開業支援契約を締結し、開業準備に進むことになった。

「ちょっと開業について考えようかな、というくらいの気持ちでセミナーに参加しましたが、聞いているうちにやはり開業しようと思うようになりました。
医歯薬ネットさんは、1度名古屋に出た後2回目のチャレンジで名古屋に出て、今回初めて大阪に出て来るということで、意気込みを感じました。関西で開業支援をしている既存のところの話を聞いたりもしましたが、何十人も開業支援しているところよりも、医歯薬ネットさんは初めてだから手厚くサポートしてもらえるのではないかと思いました。こちらでの実績がないのは不安でしたが、意気込みにかけて医歯薬ネットさんと契約することに決めたのです」

開業地探索

まずは物件探索から開業準備が始まった。高槻病院で勤務する中で、住みやすい高槻市に愛着をもつようになっていた角田先生は、高槻市、それもJR高槻駅の北側エリアでの開業を希望した。

「私は昔ながらの町医者的な感じで開業したかったので、駅前のテナントに入るという考えは全くありませんでした。卸さんの開業支援だと、所有のテナントの空いているところに入れられることが多いと聞いていましたが、医歯薬ネットさんの場合は開業にいい場所を選んでその中で戸建て用の物件を探してくれるということだったので、医歯薬ネットさんなら自分が思っているような物件を探してくれそうだと思ったことも、開業支援をお願いした理由の一つです」

南平台かどたクリニック

周辺にはあまりないデザインと開けた雰囲気のクリニック

「私の希望がかなり狭いエリアだったので、適した物件を探すのは大変だったようです。ここはもと洗車場で、あまりいい雰囲気ではなかったですし、かなり駅から離れ、丘をしばらく登ったところにあります。高槻病院よりも高槻赤十字病院に近く、少し丘を降りれば競合もそこそこあります。どうだろうかと思いましたが、懸念点を上げればきりがないですし、これ以上待っても他に物件は出てきそうにもありませんでした。
あまり時間をかけるのはよくないですし、色々と検討していくうちに悪くはないのかなと思うようになりました。競合がなくて診療圏調査の数字がいい物件は他のエリアにはありましたが、高槻で開業したいという気持ちは変わらなかったので、患者さんはゆっくり増やしていけばいいかなと思い、こちらに決めることにしたのです」

開業して

南平台かどたクリニック待合室

待合室

もともと10月の開業を考えていたが、2017年6月に開業が遅れてしまった「南平台かどたクリニック」。予定が遅れたことなど、開業準備中は不安になることが多かったという。
「不安になって担当の方にこちらの要望を強めに伝えたこともありますが、『それは無理』と拒否されることは一度もありませんでした。対応が難しい場合も『それならこうした方がいいですよ』と提案してくれて、しっかりと開業までサポートしてくれました」

開業後は着実に患者数が増えていき、患者さん達の言葉から地域に受け入れられてきていることを感じることができたという。角田先生は自身でクリニックのデータをグラフ化しているが、そのグラフから来患数が右肩上がりに推移していることが目に見えてわかったことも、自信につながった。
「開業前は不安でしたが、開業してから不安に思ったことは一度もありません。友達から紹介されて来ました、など患者さんの声を聞き、実際に患者さんの数も増えていきましたから。
患者さんが増えていったのは、口コミだけでなくこの建物と立地のおかげもあると思います。クリニックの前の道路は交通量が多くて、交差点があるので信号待ちでいつも車が止まっています。開業して最初の頃は、車で通った時にこの建物を見たから、ということで来院する方が多かったですし、今も結構いらっしゃいます。このようなデザインで開けた感じのクリニックはこの辺りにはなくて、目を引いたのも非常に大きかったのではないかと思います。確実に患者さんが増えていったので必要を感じず、今もほとんど宣伝はしていません」

開業後はホームドクタープラス消化器内科医としての専門性を出した診療をしたいと考えていた角田先生。消化器に関してはクリニックで診療はほぼ完結でき、手術が必要な場合でも丸投げはせず、術前検査までは終えて外科に紹介している。
上部消化管内視鏡は経口・経鼻を備え、鎮静剤を併用する苦痛が少ない検査・治療も行っている。下部消化管内視鏡は入院することが難しい患者さんでも受けられるよう、日帰りの大腸ポリープ切除を実施。消化器内視鏡技師の資格を有する看護師を開業時に採用し、件数が多くてもスムーズに内視鏡検査ができる体制を整えている。

内視鏡室

内視鏡室

予防接種も積極的に導入しており、インフルエンザの予防接種などは親子で一緒に受けることもできるなど、地域住民のニーズに応えるクリニックづくりに努めている。
「内視鏡検査は定期的に受けなければいけない人が多いので、少しでも楽に受けていただければと鎮静剤を使う方法も行っています。この近隣では大腸のポリープ切除は入院を要するところがほとんどなので、入院が難しい患者さんのために日帰りで対応しています。
肝臓も含め消化器に関しては専門的に、それ以外は町医者的に診療しています。診察してこちらでは扱えないと判断した場合は適したところに患者さんをご紹介しますが、総合病院の場合は私がいた高槻病院だけでなく、この近隣にある高槻赤十字病院や大阪医科大学附属病院、中堅のみどりヶ丘病院などから、患者さんの疾患を検討してご案内しています。あまり病院を選ばないような疾患であれば、患者さんやご家族の希望を聞き、通いやすさなど判断してご紹介します。
紹介時だけでなく、診療全体を通じて『こういう治療をしたほうがいいけれどどうしますか?もう少し待つこともできますが』というような形で、常に患者さんと相談しながら治療を進めています」

周辺地域の住民だけでなく、少し離れたところからHPを見て来院する方も多い。HPで調べて鎮静剤を使った内視鏡や日帰りの大腸ポリープ切除などの専門的な診療を受けるために来院する患者さんも多いが、地域の高齢者の生活習慣病や若い人の風邪、小学生の予防接種まで、年齢の層も診療の内容も幅広い患者さんが来院している。
「内科全般の患者さんがいらっしゃいますし、予防接種も多いです。診療時間の前と間を内視鏡の時間にあてていますが、内視鏡の件数も増えました。ホームドクターとしての診療と消化器の専門的な診療、両方が今できていて、開業前に思っていた開業の姿と一致してきています」

これからの課題

朝早い時間からから夜遅くまでクリニックでほぼ休みなく働いている角田先生。看護師の資格を持つ奥様が、クリニックで看護師の仕事から事務作業までサポートしてくれていることには、大いに助けられているという。
「開業してから妻はここでスタッフさんたちに指導を仰ぎながら、看護師として働き始めました。最近は事務作業も増えてきたので、看護師としてずっと入ることはなくなりましたが、来られないスタッフさんがいる時は入ってくれますし、毎日何かしらクリニックを手伝ってくれていて、積極的に支えてくれるので助かっています」

診察室

診察室

今も患者さんの数は増え続けており、患者さんを待たせてしまうことがクリニックの課題になっている。
「できるだけお待たせないようにしていきたいですが、待たせてしまったとしても、それだけ納得して帰っていただけるような診療をするように心掛けています。患者さんが増えたため診療に時間的余裕はなくなっていますが、時間がない中でもできるだけ丁寧に、患者さんの声をフィードバックしながらご理解いただけるように説明しています」

「開業して忙しすぎて時間がないことは大変ですが、患者さんからの声がうれしいので、辛くはないです。専門の消化器では早期発見早期治療したいと思っていますが、がんなどの病気が見つかることもあり、患者さんが診察もないのに挨拶に来て直接感謝の気持ちを伝えてくれたりするので、とてもやりがいを感じています。
患者さんの声から地域の方のお役に立てているのがわかり、自分が求めていたことができていて、開業して今、充実しています」
(掲載内容は掲載時のものとなります)

Doctor’s Profile

【所属学会・資格】:医学博士(島根大学)、日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医)、日本消化器病学会(専門医)、日本内視鏡学会(専門医・指導医)、日本肝臓学会(専門医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、日本アレルギー学会、厚生労働省臨床研修指導医、身体障害者指定医(肝臓機能障害)、難病指定医(大阪府)

弊社が開業支援をさせていただきました

弊社は開業支援を基幹に据えた企業として、専門的なコンサルティングを行っています。物件探索においても、先生個別の希望を踏まえながらマーケットリサーチを行い、最適な開業場所と物件をご提案します。安全に開業までサポートした後も、経営相談・会計顧問業務で関わるため安心です。
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