開業医インタビュー おおさと痛みのクリニック 寺田 仁秀院長

自身が考えるペインクリニックを行うべく開業。信頼を得て多くの患者が来院

※1489magazine vol.32―2020年9月発行号より転載

おおさと痛みのクリニック
〒343-0031
埼玉県越谷市大里193-1 大里メディカルプラザ2階  TEL:048-975-3000    http://www.osato-pain-cl.jp

 

埼玉県越谷市の1階はドラッグストアが入る医療ビルの2階に、ペインクリニック外科、麻酔科、整形外科、リハビリテーション科を標榜して2015年8月に開業した「おおさと痛みのクリニック」。
院長の寺田先生は、注射とリハビリを組み合わせた効果的なペインクリニック診療を自身のクリニックで提供すべく開業を決意した。開業当初からクリニックには多くの患者が来院し、コロナ禍にあってもその数は減っていない。

おおさと 痛みのクリニック寺田院長

ペインクリニックを専門に

祖母が苦しみながら亡くなったことから、緩和医療を志すようになった寺田先生。山梨医科大学(現:山梨大学)卒業後は、神経ブロックや麻薬を使って痛みをコントロールできる麻酔科に入局した。
「研修医の時は早く一人前になりたくて、休日も病院に行って緊急の麻酔や神経ブロックを見学したり、各地の色々なセミナーや研修に参加したりと、ひたすら勉強していました。もともと緩和医療をやりたかったので麻酔科には一時的にだけいるつもりでしたが、救急や麻酔、痛みのことなど多岐にわたる内容がすべて面白く、麻酔科にすっかりはまってしまいました」

本格的にペインクリニックを学びたいと考え、日本でトップクラスの症例数を持ち、痛みに関する最先端のさまざまな治療を提供しているNTT東日本関東病院のペインクリニック科にて研修を受けた。
「NTTでは『正確な診断をすること』、『安全な神経ブロックをすること』、この2つについて徹底的に教え込まれました。今の部長の安部先生からは、痛みのある患者さんとの接し方の重要性を学びました。患者さんにきちんと通ってもらうには、突き放さず親身になりすぎず、適度な距離感を保つことが大切だということなのです」

開業準備に進む

NTTから山梨大学に戻り3年ほど経った頃、埼玉県で開業している父親のクリニックを継ぐ話が出てきた。それには麻酔科以外も学ばねばと、富士見高原病院に移って麻酔科を担当しながら内科や整形外科の診療を行った。

「はじめは実家のクリニックを継ぐことも考えたのですが、実家のクリニックを継いだ後に診療方針の違いから喧嘩別れしてしまった人を見て、自分も父とは診療方針も違うし、私がやりたい理学療法と組み合わせたペインクリニック診療は父のクリニックではできないと思いました。それを実現するのは病院でも難しいので、開業して自分のクリニックでやりたい診療を目指すことにしたのです」

そこでたまたま知った医歯薬ネットのセミナーに参加し、そのまま開業支援契約を締結した。

「最初に10万円をお支払いしたら開業まですべてやってもらえる※ということで、お願いすることにしました。
もしうまくいかなくてもその金額なら諦めもつきますから。
医歯薬ネットさんの料金システムは、開業支援料金からではなく開業後の会計顧問契約などから利益を得るということでした。
これから開業する身としては初期投資が少なくて済みますし、医歯薬ネットさんは地主さんとの交渉でも地主さんが納得できるところに着地するようにしていて、皆がWin-Winの関係でいいなと思いました。
実際に開業までしっかりと支援してくれましたし、依頼してよかったです」
※現在は手付金5万円で開業支援を開始し、開業が具体化した後(開業物件が決定し資金調達も完了)に残金25万円をお支払いいただく料金(税別)体系です。

何かあった時には父親のクリニックを手伝えるようにと、当時住んでいた長野から埼玉に越してきて開業することにした。
「開業物件探索の担当の方が家族のことを考えて住む場所も提案してくれて、そこから一時間くらいのところで物件を探してもらうことになりました。
担当の方は色々な物件に連れて行ってくれて、その都度物件の見方などもレクチャーもしてくれたので、とても勉強になりました」
おおさと痛みのクリニック外観
開業地として決めたのは、越谷市の医療ビルの2階。1階にはドラッグストア、2階には同じく医歯薬ネット支援により開業し、盛業中のファミリークリニックがある物件だった。
この物件の周辺は住宅が次々と建っていたがクリニックは少なく、特に整形外科は不足していた。診療圏調査の結果はよいものの、最寄りの大袋駅からは徒歩15分であり都心からも離れているため、なかなか開業する医師が出てこなかった物件だ。

「一本向こうの道路は車通りが多いですが、そこから入ったこの物件の前の道路はそうでもなく、開業した時はもっと畑が多くて静かでした。私はあまり都会が得意ではないので、落ち着いた雰囲気が気に入りました。
この地域では整形外科が足りず、患者さんは行き場がなくて困っていると聞いたので、ペインクリニックで開業したとしてもある程度ニーズは満たせるだろうと思い、こちらで開業することに決めたのです」

開業医として

こうして2015年に開業したおおさと痛みのクリニック。開業直後から予想以上の患者が来院し、その数は増え続けていった。
「ペインクリニックを前面に出したクリニック名にして、自分がやりたいペインクリニックを、収支トントンくらいでやれればと思って開業しましたが、最初から対応しきれないくらい患者さんがいらっしゃいました。
整形外科のニーズは思った以上にあって、はじめのうちは首肩痛、腰痛などの症状の患者さんがメインでしたが、整形外科も扱っていることが知られてからは、骨折や捻挫などの外傷の患者さんも毎日のようにいらっしゃるようになりました」
整形外科は周辺地域からの来院が多いが、ペインクリニックの患者は足立区や久喜市、野田市などかなり広域から来院しているという。

おおさと痛みのクリニックリハビリテーション室

エアロバイク以外の運動用機器は現在は撤去し、理学療法士による運動療法をメインに行っている。奥には注射の患者用に7ベッドがある

「私は注射と筋力をつけるリハビリ(運動療法)を主体にした治療をしたくて開業したので、こちらでは理学療法士さんが患者さんの状態に合わせた無理なくできる運動・体操を教えて、患者さんに自宅でなるべく毎日やってもらうよう指導しています。
いわゆるマッサージは一時的な効果しか得られないので、基本的にはしていません。開業時には筋力をつける機械も色々と置いていたのですが、実際は理学療法士さんによるリハビリがほとんどで機械は使うことがなかったので撤去してしまいました。

こちらでは3人の理学療法士さんが常勤で働いています。私も含めスタッフみんなで勉強会を開いていますが、理学療法士さんたちは外部の勉強会にも積極的に参加して、痛みの治療をきちんと理解してリハビリしてくれているのでとても助かっています」

注射は診療の柱であり、半分以上の患者に何らかの注射をしているという。しかし注射が苦手な人には無理をせず、漢方薬を主体とした治療をしている。

超音波診断装置

超音波ガイド下での神経ブロックを実施

「患者さんが求めているのは診断なのか、治療なのか、または話がしたくて来ているのか、何を求めてこのクリニックに来たのかということを意識して診療するようにしています。
痛みの治療の患者さんは、ドクターショッピングをしてここにたどり着き、ただ話を聞いてもらいたいだけの方もいらっしゃいます。そういう方にも、ここを最後のクリニックにしてもらえるよう、なるべくニーズをとらえて診療するようにしています。
話を聞いてほしい患者さんにもリハビリはとても有効です。理学療法士さんと話しながらその方に合った方法で体を動かしているだけで、どんどん良くなっていくこともありますから」
受付
 現在は開業前に考えていた倍近くの患者が来院している。そのため思っていたような診療をする時間が取れず、患者さんの話を十分に聞くことができないのは悩みだという。
「開業してからは患者さんからの感謝の言葉が直接聞けるため、とてもやりがいを感じています。
コロナの影響で4月は患者さんが減りましたが5月には戻ってきて、今は新患の数も再診の数もコロナの前とほぼ同じくらいです。このような時でも来てくださる患者さんの信頼に応えたいということが、大きなモチベーションになっています」

「開業は決して楽ではないですが、やりがいをもって一生懸命やっていることが伝われば、患者さんは来てくれます。
競合が多い所ではなく、こちらのように少ないところを選んで開業し、患者さんとの関係を大切にしながら診療していれば、開業が失敗することはあまりないのではないでしょうか。
ですから、自分のモチベーション、こういうことをやりたいという気持ちをまず一番に考えて、勤務医と開業医、どちらの仕事にやりがいが持てるかで決断するのがいいと思います」
(掲載内容は掲載時のものとなります)

Doctor’s Profile

【所属学会・資格など】:医学博士、日本ペインクリニック学会(専門医)、日本麻酔科学会(専門医・指導医)、日本整形外科学会、日本内科学会、日本東洋医学会、日本緩和医療学会、日本救急医学会(ICLSディレクター)、日本ACLS協会(ACLSインストラクター、BLSインストラクター)

弊社が開業支援をさせていただきました

弊社はクリニック開業支援を主体とする企業として、専門的な医院開業コンサルティングを行っています。物件探索においても、先生の希望を踏まえながらマーケットリサーチを行い、ご希望エリアに適した物件がなければエリアを広げて探索し、最適な開業物件をご提案します。
安全に開業までサポートした後も、経営相談・会計顧問業務で関わるため安心です。
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