開業医インタビュー うえだクリニック 上田 渉 院長

医療を通じて生まれ故郷に恩返し がんの早期発見・早期治療を目指す

※1489magazine vol.35―2021年11月発行号より転載

うえだクリニック
〒532-0013大阪市淀川区木川西2-6-3 TEL:06-6915-8955    https://w-uedaclinic.com/index.html

 

大阪府大阪市淀川区、阪急十三駅と御堂筋線西中島南方駅の間にある下町情緒あふれるエリアで2018年11月に開業した「うえだクリニック」。ここは院長の上田渉先生が生まれ育ったふるさとである。

大阪市立十三市民病院では内視鏡センター長を務めていた上田先生は2016-2017、2018-2019、2020-2021と3期連続で「Best Doctors in Japan」に選出されている内視鏡のスペシャリストで、うえだクリニックでも新型の内視鏡を導入して診断や治療を行なっている。「医療を通じて、地域の方々に笑顔になっていただく 我々の関わる全ての人々の心に、温かな火を灯す」という理念の基、患者ファーストの姿勢で地元の医療に貢献している。

がんの早期発見を目指す

幼少期、胃がんだった祖父の治療にあたる医師や看護師の姿を目にしていた上田先生。人の役に立ちたいという思いもあって、医師の道に進むことを決意した。
「消化器内科を専門にしたのは、祖父が胃がんだったこともありますし、内科の中でも外科的な処置が出来ることに魅力を感じたからでもあります。勤務医として働いていた頃は将来独立開業しようとは考えておらず、ずっと勤務医で終わるかと思っていました。しかし両親の健康面を考えると今後も病院で働き続けるのはなかなか難しいなと思い、その時に初めて開業の選択肢が頭にチラッと浮かんだのです。

そこで医歯薬ネットさんの開業セミナーに参加してみたところ、開業における多岐の業務をやっていただけることが分かりました。他社と比較した上で、医歯薬ネットさんは他社では取り扱っていないサービスも含め一番よく動いていただけるという印象でしたので、お願いすることにしました。私たち医者は患者さんを診療するのは得意ですが、開業するにあたっての煩雑な事務手続きや銀行からの融資など、病院で働きながらではなかなか手が回らないことも多いので、それらに慣れている医歯薬ネットさんが一括して窓口を引き受けてくださったことで、準備が大変スムーズに進みました」
元々実家が建っていた土地を活用してうえだクリニックが建てられたが、地元での開業を決めた理由は他にもあったという。

「私はこのクリニックの近くにある大阪市立十三市民病院に勤めていましたが、そこで働いているときに胃がんや大腸がんの患者の多さに驚きました。その前に勤めていたのは都島区の大阪市立総合医療センターだったのですが、ひと月に診る癌患者の数が十三市民病院の方が多かったのです。なぜ癌がこれほど多いのかと思い調べてみると、がん健診の受診率が淀川区は8~10%程度であることが分かりました。

国のがん健診目標受診率が50%で、北摂の予防意識の高い地域では大体50%以上ですので国の定めた基準と同等か、それを上回ります。ですが、淀川区の受診率は国の目標よりも大幅に下回っているのが現状です。大阪市全体で見ても10%に届かないので、北摂の方と比べたらかなり受診率が落ちています。私は常々、日本人に多い胃がんの人たちを早期に発見できないものかと思っていました。胃がんで亡くなった祖父も癌が見つかった時には既にかなり進行していたのですが、もっと早くに見つけていれば助かったはずです。

向かいに幼稚園があり人通りが多い場所に立地

早期発見で治るのが胃がんと大腸がんですから、開業するなら早く見つけて、早く治してあげたいと思いました。そのような背景があり、開業するなら自分が小さい頃からお世話になった方たちへの恩返しも含めて、地元で開業しようと決意しました。」

ふるさとでの開業を志したものの、実際ここで開業して本当に患者が集まるのかという疑問もあった。そんな時、医歯薬ネットが行なった独自の市場調査(地元住民への聞き取り調査など)により、潜在的なニーズがあることを確信した上田先生。2日間に渡って行なった内覧会には381名もの方が来院され、開業当初から順調な滑り出しをみせた。ご高齢の方をターゲットと想定していたうえだクリニックは、あたたかく、来ていただいた時にほっとするようなイメージをコンセプトとして作られている。

待合室は吹き抜け構造で広々とした空間に

「クリニックに近い十三市民病院で働いていたので、開業時から安定して患者の皆さんにご来院頂きましたが、それ以外にもどんどん新規の患者さんが増えていきました。レイアウトは診察室を中心にして、出来るだけ私が最小限の距離で動けるようにしています。あとは、一般の患者さんと検査を受ける人が交わらないような空間づくりも意識しました。検査着を着ている女性が他の患者さんのいるところで待つのは嫌でしょうし、ロッカーも男女別にし、トイレも4つ用意しました。医歯薬ネットさんや設計士の方からの知恵を借りながら、このレイアウトになりました」

 

患者ファーストの診療を提供

Best Doctors in Japanに選出された時の賞状

現在3期連続で「Best Doctors in Japan」に選出されており、内視鏡のスペシャリストである上田先生は、クリニックの口コミでも内視鏡検査がとても楽だと評判は上々だ。負担の少ない検査を行うことこそ、癌の早期発見につながると上田先生は考える。

「内視鏡検査が楽じゃないと、患者さんは検査を受けようとは思いません。診を受けないから進行がんになってようやく発見されることになるので、まずは検査を楽に受けていただくということが私たちの命題です。そのために鎮静剤や鎮痛剤を使用して、眠ったときのような楽な状態で検査を受けられるようにしています。患者さんの内視鏡検査のハードルを下げたいし、『楽ですよ』と言うことで、緊張されている方とか躊躇されている方の背中を押して検査を受けていただきたい。早期発見早期治療を行なうことで、胃がんと大腸がんによる死亡率を下げたいと考えています。当院では内視鏡も一番良いものを揃えています。開院当初は上部下部1本ずつだったのですが、検査数が多く洗浄が間に合わなくなったのでどんどん増えていきました。今は上部2本、下部(大腸)2本で回しながら行っています」

内視鏡室

最新の内視鏡は胃がん・大腸がんの検査はもちろん、上田先生が行なっているIBD(潰瘍性大腸炎やクローン病)の専門治療にも役立っている。
「難病指定されているIBDの中でも、とりわけ潰瘍性大腸炎の患者さんがとても増えています。現在全国に約25~26万人ほど患者さんがいるのですが、当院でも毎月1~2人は新規発症の方がいらっしゃいます。難病なので今までは大きい病院に行くか大学病院に行くかしか選択肢がなかったのですが、行ったとしても待ち時間がとても長いし、検査は2ヶ月後とか言われることもざらにあります。しかし、早くカメラで検査して早く診断して、早く治療を開始していれば入院しなくても済むのです。IBDは若い方が発症するケースが多いので、病気と付き合いながら通勤通学することを考えると、平日の遅い時間や土曜日も開いているクリニックでないといけません。IBDの専門治療を行なうクリニックは限られているので、私はそのニーズに応えたいと考えています」

隔離室

コロナで内視鏡の検査数が減ることはあったものの、発熱患者の需要が高まったことでむしろ忙しくなったそうだ。うえだクリニックが開業した2018年11月は、もちろんまだ新型コロナウイルスは確認されていない。しかしクリニック内には開院当初から隔離室が設けられていた。

「当時は新型インフルエンザの流行を想定しており、医歯薬ネットさんからも『これからの時代はこういった部屋も必要ですよ』と教えていただいたのでレイアウトに組み込むことにしたのです。一般の患者さんと交わらないような動線になっているのでコロナ禍での発熱外来で大活躍しましたし、診療時間も分けていたので当院だけでは診きれないほど多くの患者さんがいらっしゃいました」

開業前から、自身の長所、短所などのSWOT分析を行い、戦略的に開業準備を進めた結果、開業後2年10か月で医療法人化を達成した。開業したことでご家族と過ごす時間的な余裕や、金銭的な余裕が生まれたという。今後内視鏡の検査数をさらに増やすのか、分院展開をするのか、上田先生が思い描くビジョンは様々だ。しかしその全てに、患者ファーストの姿勢が共通している。

「自分の人生のミッションの一つに、医療を通じてこの地域に貢献したいというものがあります。これは自分ひとりの力では決して達成出来ず、スタッフの力も必要不可欠です。私はスタッフの力を最大限に引き出すために、どんな小さなことでも必ず『ありがとう』と言うようにしています。私がスタッフに穏やかに接すれば、スタッフも患者さんに穏やかに接するようになります。患者ファーストの診療は、スタッフを大切にしていないと成しえないことです」

「開業する際には、まず何故開業するのか、どのような医療を行いたいのかを十分に考え尽くし、次に立地と規模(何坪でやるのか)を選定します。そこから事業計画書を綿密に作り込むことが大事です。これは一人では絶対に出来ないことなので、医歯薬ネットさんなどプロのコンサルタントに相談しないと厳しいと思います。開業準備は大変でしたが、実際に開業してみて、今とてもやりがいを感じています」
(掲載内容は2021年10月時点のものとなります)

Doctor’s Profile

【所属学会・資格など】:日本内科学会専門医 総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会(専門医、指導医)、日本消化器病学会(専門医、指導医)、日本大腸肛門病学会(専門医)、日本消化器内視鏡学会本部評議員 他

弊社が開業支援をさせていただきました

株式会社医歯薬ネット
TEL:03-5421-7260
URL:http://www.ishiyaku-net.jp または 医歯薬ネット検索
クリニック開業支援の専門企業として、本格的なコンサルティングを行っている医歯薬ネット。開業の成功の鍵を握る開業場所の探索に力を入れ、開業ドクターの希望エリア内で最適な物件を探索し、ご提案します。安全に開業までサポートした後も、経営相談・会計顧問業務で関わるため安心です。開業をお考えの先生は下記WEBサイトよりセミナースケジュールをご確認の上、まずはセミナーにご参加ください。
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