開業医インタビュー 片倉町あかり脳神経内科・内科クリニック 院長 金塚 陽一 先生

MRI・CTを完備した頼れる脳神経内科クリニック
競合ゼロの理想の開業地で、開業初月から右肩上がりに増える患者数

※1489magazine vol.41―2023年10月発行号より転載

片倉町あかり脳神経内科・内科クリニック
〒221-0865 神奈川県横浜市神奈川区片倉1-28-11 やまゆりメディカルブリッジ3階 TEL:045-534-5589   https://katakura-akari.com/

 

横浜市神奈川区にある片倉町駅は、横浜駅から3駅、新横浜駅からは2駅と交通アクセスが良く、買い物環境も充実しているため生活の利便性に恵まれた街として人気がある。そんな片倉町駅から徒歩約5分、新築医療モールの3階に今年5月「片倉町あかり脳神経内科・内科クリニック」が開院した。

院長の金塚先生は、悩むことも多かったという開業までの道のりや、開業して半年が経った今感じていることについて語っていただいた。

父の医院を継承すべきか

父が茨城県で開業した内科医であり、医者の家系に生まれ育った金塚先生はごく自然と医師を目指すようになったという。

「医学部を卒業して自分の専門に悩んだ時に、横浜市立市民病院に後期研修医(現在の専攻医)として出向することになりました。当時は糖尿病内科の医局に入っていたのですが、せっかく総合病院で勤務するのであれば今まであまり勉強してこなかった神経内科の勉強もしてみようと思いました。私は様々な患者さんを診る中で、神経内科領域の疾患は手術をしたら完治するということはなく、麻痺が出て不自由になったり生活に介助が必要になったりと、後遺症と付き合っていかなければならない疾患だと知りました。患者さんの社会的な背景やご家族の状況なども考えながら治療法やリハビリを提案する必要があり、全人的アプローチが求められる神経内科にやりがいと面白さを見出しました」

横浜市立市民病院で長く勤める中、金塚先生は2020年1月に医歯薬ネットの開業セミナー「医院開業知識集中講座」にご参加された。

「40半ばになった頃から、臨床医として生きていく上でこのまま市中病院の勤務医のままでいいのか、父のクリニックを継承すべきだろうかと考えるようになりました。当時私は兼業規定について横浜市と相談した上で、月に一度茨城県にある父のクリニックで診療を行っていました。しかし過疎化の進んだ地元では神経内科の患者さんが全く集まらず、継承したところでこの先20年30年やっていけるのか不安もありました。そんな時に病院に届いていた1489MAGAZINEを目にして、客観的な意見を聞きたいと思ってセミナーへの参加を決めました」

本音で話すコンサルタントとの出会い

医院開業知識集中講座では、開業にまつわる講演を行った後に、無料の個別相談会を開催していた(現在は感染症流行に伴い、オンライン開催に移行)。承継すべきか迷っているという相談を受けた担当者の下田は、契約前であったが早速クリニックのある茨城県へと調査へ向かった。

「下田さんはまだ契約もしていないのにクリニック近隣の病院や住宅環境を調査してくれました。結果として、観光に行くなら良いところだが生活をする場所ではない、とはっきり言われ、私も感じていたことだったのでやはりそうなのかと腑に落ちました。また、『クリニックを継ぐなら設備投資は一切してはいけません、訪問診療メインでやっていく覚悟があるのなら継承の道もあります』と言われたことで、承継しても自分のやりたい医療は出来ないことや、子どもたちの進学のことなども考えると承継は現実的ではないと理解出来ました。他にも何社かコンサル会社をあたったのですが、いわゆるイエスマンなコンサル会社もある中で医歯薬ネットさんは最初から本音で話してくれました。開業に至るまでに自分の甘さや現実を見せられたことも多々ありましたし、人によっては耳が痛いことを言われることもあるかもしれませんが、開業を成功させるために必要なことをきちんと伝えてくれて、支援してくださるのは有難いことだなと思います」

開業支援契約締結後、早速物件探しが始まった。金塚先生が開業地として希望されたのは、長年勤める横浜市立市民病院と連携が取れるエリアであった。

「ずっと横浜市で勤務していたので人脈もありますし、神経内科のニーズがあることも分かっていました。また、治療において専門的な知識を必要とする神経難病の患者さんは、クリニックに紹介しても治療法が分からないと言われて再び病院に戻されてしまうことも多々あり、私が開業することで患者さんの受け皿になれたらいいと思っていました。下田さんが探してくれた候補物件の中でも、この開業場所は周辺に競合クリニックが全くなく、横浜市立市民病院にも紹介できる距離だったので、ここで開業しようと決意しました」

予期せぬ出費 自己資金がない

神経内科の専門的な治療が出来るクリニックづくりを目指し、Canon社製の1.5テスラMRIとCTを導入している片倉町あかり脳神経内科・内科クリニックだが、物件探索をしていた段階ではCTのみを導入する予定だったという。

「子どもの学費、自動車のトラブル、飼い犬が大病を患い高額な治療費がかかったなど、様々なイベントで出費が重なり、正直自己資金が全くなかったので資金繰りが本当に大変でした。また、私も妻も保険会社に言われるがまま生命保険に加入していて必要以上に保険料を支払っていたことも判明し、会計顧問である大山会計の田村さんにアドバイスを頂きながら保険を整理しました。家族にも協力を仰いで今までの生活を見直すことで、自己資金を増やすことに努めました」

大山会計は融資が実行出来る可能性があるすべての金融機関をあたり、最終的には協調融資(複数の金融機関同士で協調して融資すること)にて必要資金全額を確保することが出来た。

「MRIは1億円近くするので開業当初から入れる予定はなかったのですが、開業地周辺にMRIを置いているクリニックが一切ないと知って導入を決めました。結果的に開院以降毎日6件以上、多いと10件以上MRIを撮ることもあるので、導入して良かったと思っています」

株式会社大山会計

医歯薬ネットのFVC会計事務所として神奈川県エリアを担当。数百件のクリニック顧問先を抱える会計事務所。

※FVC…弊社では株式会社医歯薬ネットを本部、各地域の会計事務所や建築会社を加盟者とするFVC(フランチャイズ・ボランタリー・チェーン)システムを採用。地域を熟知する会計事務所・建築会社が開業支援ネットワークに加わることで、地域の特性に合わせた開業コンサルティングをご提供することが可能になりました。

医歯薬ネットの開業スキームでは、ご開業前から銀行融資などの資金に関する業務を会計事務所が担当する為、ご開業前からご開業後まで、同じ会計事務所が一貫してサポートさせて頂きます。

患者を優しく照らす、あかりのような存在に

クリニック名には先生のお名前や開業地の名称を入れることが多いが、片倉町あかり脳神経内科・内科クリニックという名前には、金塚先生が臨床の現場で感じていたある思いが込められていた。

「病院では毎日様々な病状の患者さんが救急搬送されてきていましたが、なかには全身を病に侵されていて既に手遅れと言える状態の患者さんもいらっしゃいました。その現状に、何故この患者さんたちはこれほど苦しまなければいけないのか、もし自分が開業したら患者さんが天寿を全うできるように、病状が悪化する前に治療したいと考えるようになりました」

開業に際しそのような思いを抱えていた金塚先生は、クリニックの顔でもある名前とロゴマークにその気持ちを反映させることにした。

「玉置浩二『しあわせのランプ』の曲中に出てくる“幸せになるために生まれてきたんだから”という一節は、勤務医として働く中で感じていたことと重なるところがあって好きな言葉だったので、クリニックにも取り入れようと考えました。ロゴマークはランプをモチーフにして、クリニック名は柔らかいイメージになるようにランプを“あかり”という言葉に置き換え、患者さんを優しく照らす、明かりのような存在でありたいと思って名付けました」

金塚先生の想いが詰まったクリニックは2023年の5月に開業し、開業初月から順調に患者数を伸ばしている。

「勤務医時代とは違い、クリニックではやったことが全部自分に返ってくるので、良くも悪くも全て自分の責任で行えるのは非常に楽しいです。とは言え、どのくらい頑張れば採算ベースに乗るのか読み切れないところもあり、明日はどうなるか分からないという面もあります。しかし有難いことに患者数は右肩上がりに増えていますし、横浜市立市民病院では今も週に一度外来を受け持っているのですが、開業時にそこの患者さんを引き連れてきたことで良いスタートダッシュを切ることが出来ました。患者さんがそのご家族にも来院を勧めてくださることもあって、満足していただける診療が出来たのかなと嬉しくなります」

理想としていた医療を提供できている環境には、共に働く看護師や医療事務などのスタッフの力、そして奥様の内助の功のおかげでもあった。

「スタッフさんは自主的に動いてくださる方ばかりで、良い方達を採用出来たと思っています。看護師さんは患者さんのために一生懸命業務に取り組んでくれますし、医療事務の方も自分から色々と勉強してくれて、むしろ私の方が教えてもらっているほどです。また、事務作業が苦手な私に代わって勤怠管理などは妻がしてくれているので、感謝しかありません」

動くなら、今

最後に、開業を考えている先生方へのメッセージをいただいた。

「動くなら、早い方が良いと思います。日本社会はどんどん不安定になりますし、日本の人口のボリュームゾーンである団塊の世代が後期高齢者に突入して高齢化社会が進む中で、急性期病院はいずれパンクすると思います。開業はハイリスク・ハイリターンですが、今後日本の景気が悪くなって融資を当たり前にしてもらえない時代が来るかもしれないし、自分のやりたい医療があるのならば、今動くべきです。現在のポジションで満足していて今後も安定しているのなら別ですが、以前の私のように今後のライフプランを迷われている方は、開業も一つの選択肢だと思います」

 

Doctor’s Profile

【所属学会・資格など】:日本神経学会専門医・指導医、日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医、難病指定医、身体障害者福祉法第15条指定医、日本禁煙学会 禁煙サポーター

弊社が開業支援をさせていただきました

株式会社医歯薬ネット
TEL:03-5421-7260
URL:http://www.ishiyaku-net.jp または 医歯薬ネット検索
クリニック開業支援の専門企業として、本格的なコンサルティングを行っている医歯薬ネット。開業の成功の鍵を握る開業場所の探索に力を入れ、開業ドクターの希望エリア内で最適な物件を探索し、ご提案します。安全に開業までサポートした後も、経営相談・会計顧問業務で関わるため安心です。開業をお考えの先生は下記WEBサイトよりセミナースケジュールをご確認の上、まずはセミナーにご参加ください。
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