開業医インタビュー さとり循環器・内科クリニック 院長 佐鳥 圭輔先生

仕事と私生活の両立を目指して開業を決意
地域住民からの厚い信頼を得るクリニックへと成長

※1489magazine vol.43―2024年6月発行号より転載

さとり循環器・内科クリニック
〒371-0825 群馬県前橋市大利根町2-32-4
TEL:027-225-2327  https://www.satori-cl.com/

 

群馬県前橋市に開院した「さとり循環器・内科クリニック」は、地域住民から「話をよく聞いてくれる、安心、信頼のできる先生」「他の人にも強くおすすめできるクリニック」などの言葉が多く寄せられ、地域に根差したクリニックとして着実に患者数を伸ばしている。
院長の佐鳥圭輔先生は看護師である奥様の協力も得ながら開業準備を進め、今も夫婦二人三脚でクリニックを運営している。

不規則な生活、このまま勤務医を続けられるのか

幼い頃から、人のためになってかっこいい仕事であると医師に憧れていた佐鳥先生。小学校の卒業文集にも「医師になる」と書いたそうで、初志貫徹し、地元の群馬大学医学部へと進学された。

「小学六年生の頃に母を心臓の病気で亡くしたので、最初から循環器内科には興味を持っていました。勉強していても楽しかったですし、重症の心疾患の患者さんであっても適切な処置をすれば目に見えて回復するなど、治療の効果を感じやすいところも魅力的でした。専門として選んでよかったと思っています」

医学部卒業後は群馬県内の市中病院で経験を積んでいた佐鳥先生だが、勤務医としての生活は家族と過ごす時間を確保することが難しい部分も多かったという。そのような状況で開業という選択肢が頭に浮かび、2020年に医歯薬ネットの開業セミナー「医院開業知識集中講座」に参加された。

「セミナーに参加した頃は30代半ばで、職場では中堅どころのポジションになっていました。そのまま勤務医として働き続けていたらそれなりのポストに就くことも出来たのだと思いますが、病院で働いていると夜中に突然呼び出されたり、休日も自宅で待機する必要があったり、外出先であっても病院から呼び出されたら家族みんなで帰宅しなければいけなかったりと、私の事情に家族を巻き込んでしまうことへの申し訳なさを感じていました。この働き方をいつまで続けられるのかと考えるようになった際、元々外来で患者さんとお話しするのは好きだったので開業が思い浮かび、気軽な気持ちで医歯薬ネットさんのセミナーに参加してみました。セミナーで聞かせてもらった開業ノウハウは理論がハッキリしていましたし、時間がかかってでも開業地選びはしっかり行いたいと思っていたので、物件開発に力を入れ、希望条件に合うところを熱心に探してくれる医歯薬ネットさんの姿勢に好感が持てました。開業支援料金もリーズナブルなので、お願いしやすかったです」

※医歯薬ネットの開業支援料金は合計33万円。開業支援契約締結時に5万5千円(税込)、不動産契約締結又は資金調達完了時に27万5千円(税込)をお支払いいただきます。開業準備を始める際に必要な料金は、5万5千円(税込)のみです。

ここで開業しなかったら絶対後悔する

開業支援契約を締結した後、早速物件探しが始まった。群馬生まれ群馬育ち、そして群馬県内の病院で働いていた佐鳥先生は、前橋市を中心に群馬県内での開業を希望していた。
佐鳥先生のご支援を担当していた医歯薬ネット東京本社営業部の下田は、当時の物件探索について次のように振り返る。

「佐鳥先生との最初の打合せを終えた後、すぐに前橋に2泊して、前橋や隣接する高崎などを調査しました。1日目は診療圏調査の結果などを踏まえて可能性がありそうなエリアを視察し、2日目は1日目の調査結果をもとに、役所や地主さんを訪ねて回りました。その結果、今クリニックが建っている土地も含めて5つほど先生に物件をご紹介したのですが、佐鳥先生が『ここ、私の実家のすぐ近くです』と仰っていて、お互いに驚いた記憶があります」

佐鳥先生によると、実家の近くということ以外にも、この土地に惹かれた理由があったという。

「昔からよく知っているエリアでしたし、現在の自宅からも通いやすく、加えて開業前に勤めていた前橋赤十字病院や済生会前橋病院とも連携できる距離感なので、いただいた候補物件の中でも抜群に良い立地でした。循環器内科の競合が少ないということも、大きな決め手となりました。下田さんからは、競合が少ないゆえに他のクリニックが開業する可能性もあると意見をいただき、もし私が悩んでいる間に他の人が開業したら後悔すると思ったので、少し早い展開に戸惑いつつも、思い切ってここで開業をしようと決意しました」

開業地が決まったことで、金融機関との融資交渉や建物デザイン、内装・レイアウト検討、医療機器の選定など様々な準備を進めていった佐鳥先生だが、大変なことや不安なことも少なくなかったという。しかし、理想的な物件と出会えたことが心の支えにも繋がっていた。

「私のクリニックなので当然あらゆることを私の意見で決めなくてはいけないのですが、勤務医の頃は考えたことがないようなことばかりだったので大変でした。また、金融機関との融資交渉では桁違いの金額を目の当たりにすることで、本当に返せるのか、大丈夫だろうかと不安に思うこともありました。しかし下田さんに薦めていただいた場所でもあるので立地には自信がありましたし、ここで大失敗することはないだろうと思って乗り越えました」

全ての患者を受け入れられるクリニック

診察室

これまで培ってきた循環器専門医としての経験を生かしつつも、近隣に競合クリニックが少ないため幅広い年齢層の患者の来院が見込まれることや、コロナ禍で発熱患者も多数来院することを踏まえ、どんな患者も断らない間口の広いクリニックにし、自分にできる最大限の医療を提供しようと考えていた佐鳥先生。その思いは、クリニック名にも表れていた。

「例えば、〇〇内科クリニックという名前の場合、患者さんや他科の先生からすると、内科の中でも何が専門なのか分かりづらいことがあります。かといって循環器だけだと循環器以外の内科疾患は診ないのかとなってしまうので、妻の意見を参考に、専門性を生かしつつも内科全般を幅広く診るという意味を込めて、『さとり循環器・内科クリニック』に決めました。実際開業してみるとクリニックには様々な悩みや症状を抱えた患者さんがいらっしゃるので、患者さんのお話にはきちんと耳を傾け、診察を行っています」

発熱患者を受け入れるためには感染症対策が必須であり、さとり循環器・内科クリニックでは隔離室と隔離室専用の入口を設け、一般患者と発熱患者を完全に分ける動線になっている。

「開院した頃は検査のキャパシティーを超えるほどの発熱患者さんが殺到していましたし、現在も5類になったとはいえ、隔離室で対応した患者さんの中にコロナ陽性の方がいらっしゃることもあります。隔離室があるおかげで通常の待合室には発熱や激しい咳症状を抱える患者さんはいらっしゃらないので、設置して良かったと思っています」

通常の入口の左手に、隔離室専用の入口がある

隔離室

夫婦二人三脚で これまでも、これからも

地域に根差したクリニックを目指して準備を進めてきた佐鳥先生に、実際に開院したことで感じる、開業の良さを尋ねた。
「一番はやはり、患者さんから『ここにクリニックができて良かった』と直接言ってもらえることです。勤務医の頃よりも、普段の生活含めて患者さんに寄り添って診察できている実感があるので、その一言を頂けるのは嬉しいです。あとは開業の動機でもある、家族との時間を作れるようになったことです。ただ思った以上に忙しいのでクリニック運営を一緒に担ってもらっている妻には多大な苦労をかけてしまっているのですが、決まった休みをとれるようになったことで、子どもの習い事の付き添いなどにも時間を使えるようになりました。子どものやりたいことを応援したいと思っているので、充実した日々を送っています」

佐鳥先生のインタビューを隣で聞いていた奥様も、子どもにとって良い環境になったとお話ししてくださった。

「開業してからは夫が子どもの学校行事に参加できる機会も増え、この前は初めて小学校の授業参観に参加していました。病院からの急な呼び出しや待機がなくなったことで、勤務医と開業医の時間の使い方の違い、拘束時間の違いを実感しています。子どもにとっても良いことだと思います」

しかし佐鳥先生曰く、開業にあたっては大変なことも沢山あるという。

待合室

「患者さんが順調に増えているのは良いことなのですが、診療報酬の締め作業をはじめ、院長として診療以外にもやらなければいけないことが沢山あるので、時折寝る間も惜しんで作業しています。またクリニックの経営者としては、やはり人材の問題があります。オープニングスタッフだった事務の方が一人辞めてしまい、その方の代わりとして雇った人もなかなか定着しないという時期があり、しばらくは看護師としてクリニックで働いている妻に医療事務の作業も手伝ってもらっていました。この状況を改善するために、この半年ほどでスタッフの数を増やし、休みたい時に休めるような、みんなで協力できる体制づくりをしています。最初に辞められた方以外のオープニングスタッフは皆さん今も働いてくださっているので、頭が下がる思いです。妻やスタッフの皆さんがしっかりと働いてくださっているから、大変な時期も乗り越えることができました」

インタビュー中、繰り返し奥様への感謝の言葉を重ねていた佐鳥先生。奥様もご自身の経験から、開業する際は配偶者に手伝ってもらった方が良いと仰っていた。

「夫の開業に備えて私はクリニックで働いて経験を積んでいたのですが、クリニック運営に必要な様々なことを学ぶことができ、開業準備でもその経験は大いに役立ちました。もし今開業を考えている勤務医の先生で医療従事者の配偶者がいる場合は、協力してもらった方が何事もスムーズに進むと思います。開業してからは、医師には医師にしかできない仕事があるので夫は診療をメインに行い、私は看護師業務をはじめ、スタッフ回りのことなどが円滑に進むよう裏方業務に徹しています。開業できて良かったと安心する暇もないくらい今は忙しい日々を送っていますが、何年後かに振り返った時、開業して良かったと思えるようになればいいなと思っています」

最後に佐鳥先生から、現在開業を考えている先生方へのメッセージをいただいた。

「患者さんと接するのが好きな先生方には、患者さんに寄り添った診療ができる開業は向いていると思います。私は比較的若いうちに開業することになりましたが、この年齢だからこそ広い視点で物事を考え、クリニック運営ができていると感じることもあります。人によって様々なご事情や条件があるかと思いますが、開業に向けて早めに動き出すことも選択肢の一つなのではないかと思います」

クリニックのレイアウト(延床面積:約80坪)

Doctor’s Profile
【ご経歴】
・2009年 群馬大学医学部医学科 卒業
      前橋赤十字病院 初期臨床研修医
・2011年 群馬大学医学部附属病院 循環器内科
・2012年 公立藤岡総合病院 循環器科
・2014年 済生会前橋病院 循環器内科
・2016年 前橋赤十字病院 心臓血管内科 (2017年4月より同科副部長)
・2022年 さとり循環器・内科クリニック 開院

【所属学会・資格など】:日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医、日本内科学会総合内科専門医、日本内科学会認定医、臨床研修指導医、緩和ケア研修会 修了

弊社が開業支援をさせていただきました

株式会社医歯薬ネット
TEL:03-5421-7260
URL:http://www.ishiyaku-net.jp または 医歯薬ネット検索
クリニック開業支援の専門企業として、本格的なコンサルティングを行っている医歯薬ネット。開業の成功の鍵を握る開業場所の探索に力を入れ、開業ドクターの希望エリア内で最適な物件を探索し、ご提案します。安全に開業までサポートした後も、経営相談・会計顧問業務で関わるため安心です。開業をお考えの先生は下記WEBサイトよりセミナースケジュールをご確認の上、まずはセミナーにご参加ください。
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・医歯薬ネット取締役社長であり税理士の佐藤が、税理士ならではの視点からクリニックの開業・運営について解説する「開業コラム」 ほか

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