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2024年7月12日

一般社団法人立のクリニックでのトラブル増加に注意!

こんにちは!

今回は「一般社団法人立のクリニックでのトラブルに注意!」についてお話しします。

 

(参考)NHK 一般社団法人のクリニック 都市部で増 医師「名義貸し」証言も https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240529/k10014464211000.html

(参考)NHK 追跡”自由診療ビジネス”の闇 相次ぐ美容・健康トラブルの深層 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4908/

(参考) 厚生労働省 資料1 美容医療に関する現状について https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001268494.pdf

一般社団法人立のクリニックとは

近年、一般社団法人立のクリニックが増加しています。
一般社団法人は原則、許認可を得る必要がなく登記のみで設立できる、
医師でなくとも誰でも代表者になることができる等の手軽さが増加の理由の一つです。

医療以外の収益事業も行うことができるため、保険診療が認められない場合も多いですが、
自由診療で美容医療、予防医療等の富裕層ビジネスを行うことで収益を上げることが可能であるため、一般社団法人立のクリニック数は増えています。
NHKの調査によると、一般社団法人として設立されたクリニックは2023年末時点で298件と、この5年で6倍にも増えました。

このように、個人開業でのクリニック・医療法人立のクリニックとは別に、
「第3の開業」として「一般社団法人」によるクリニック開業が広がっているのです。

一方で、患者さんとのトラブルも増加しています。
特に、近年ニーズが高まりつつある美容医療に関する相談件数は、2023年度で5,507件になり、2018年度(1,741件)からの5年間で3倍以上まで増えています。

トラブルの例

◆ケース1
美容クリニックにて、高濃度のビタミン点滴を受けた女性。
直後に激しい腹痛や吐き気に見舞われたものの、院内にいた医師は診察に来ず、近くの総合病院に救急搬送されました。

◆ケース2
男性が通っていた脱毛クリニックが、なんと突然閉院。
裁判所からはクリニックの破綻手続き開始を通知する文書が届きましたが、契約金の返金対応については音沙汰がないままです。

このように、医療の安全性に関わる問題や金銭のトラブルが増えているようです。

では、どうしてこのようなトラブルが増加しているのでしょうか。

その理由は、一般社団法人立クリニックの監督省庁が明確に決まっていないこと、自由診療であることの二つが挙げられます。

監督官庁不在の一般社団法人立のクリニック

一般社団法人立のクリニックは現在、監督官庁が決まっていません。
そのため、一般社団法人立のクリニックの設立の審査を行う上で疑問点があっても問い合わせる先が無いため、書類が整っていれば解説の許可を出しているのが現状です。

また、監督官庁が無いため、クリニック開設後に業務内容を報告する義務もありません

ゆえに、一般社団法人立のクリニックの管理者になったものの、ほとんど勤務しない医師が名義貸しの状態になったり、医療倫理よりも利益を優先する異業種の経営者が運営に携わるようになったりと、一般社団法人立クリニックの杜撰な運営体制が見過ごされてきました

良くも悪くも自由度の高い自由診療

また、一般社団法人立クリニックは保険診療が認められない場合もおおく、自由診療を行うケースが多いです。
その自由診療は、保険適用がされないため、通常の保険診療と比較して指導や監査等の範囲が限定的です。
そのため、トラブルの温床となりやすいのです。

一般社団法人立でのクリニック開業には要注意

このように、一般社団法人立クリニックはトラブルが増えています。

もちろん、健全な運営をしている一般社団法人立のクリニックもありますが、何よりも行政上の扱いが現在は不安定です。
今後の法律等の改定により、一般社団法人立クリニックの扱い方は変化する可能性もあります。
よって一般社団法人立クリニックを開設したり、管理者を頼まれたりした場合には、慎重にかかわっていくことが大切です。


今回の内容は、こちらの動画でも触れております。

併せてご覧ください。

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