2023年6月9日
医院承継(クリニックのM&A)の是非を考える
みなさんこんにちは!医歯薬ネットです。
本日はクリニックの事業承継(M&A)についてお話ししたいと思います。
まず、承継前のクリニックで1日数十人の集患があったとすると、少なくとも開業時から同程度の集患は見込めるという安心感に繋がります。
また、承継前のクリニックから引き継ぐ部分も多いため、完全に新規でご開業されるよりは工費や備品を揃えるための諸費用や準備期間を抑えることが出来ますので、
初期費用を抑え、早めに開業したい……という先生においては、大きなメリットになります。
④はクリニックを譲る側のメリットになりますが、職員の退職金や、テナントの場合は内装をスケルトンに戻すための工費など、
クリニックを畳む際に生じる費用を削減することが出来ます。
既存患者を引き継げる、開業時から数巻が見込めるのはメリットですが、果たして10年後20年後も同じように患者さんは来るでしょうか?
現在高齢者が多く住んでいてクリニックの需要が高い地域でも、
若者の流入が少なく将来的に人口が減少していく地域の場合、将来的にクリニック経営は苦しくなります。
人口動態をしっかりと検証して、マーケット性が優れているかどうか見極めることが重要です。
また、承継で開業して10~15年経った際、クリニックの建物の耐久性は大丈夫でしょうか?
そして、④⑤の契約手続きや経営の実情については、特に注意して確認する必要があります。
例えば法人から承継する場合、法人が行っているのは経営だけで不動産は個人が所有していたり、
契約関係に関しても営業権の売買契約や不動産の売買契約・賃貸借契約、備品関係の売買契約の関係が複雑になっている可能性があり、
更に表に出ていない業者との みなし契約や隠れ負債が残っている場合もございますので、承継する際に不利益を被らないよう、
各権利の所有者や契約内容については徹底的に確認するようにしましょう。
⑥の承継代理人とは仲介業者のことを指します。
本来であれば受け渡す側と承継する側の間で利益の調整が行われるべきですが、
代理人により双方の意思が考慮されずに価格や条件の設定がされてしまうことも少なくありません。
初期投資を抑える必要のある先生に関しては、承継でのご開業は比較的適しております。
特に高齢の先生は借金の返済期間が長く取れなかったり、新規で多額の借金を増やすことを避けるため、という理由もございます。
お子さんが自立したため教育費を稼ぐ必要がなくなったり、夫婦二人暮らしのため生活費が嵩まず、収益性を気にする必要がない先生、
収益性が高くなくてもご自身のご専門だけで診療したいという先生も承継でのご開業に向いていると言えます。
都心でのご開業を希望される先生は一定数いらっしゃいますが、
都心の場合物件が出ても他の業種と奪い合いになってしまう上、新規のご開業だと賃料は相当高くなってしまいます。
そのためピークを過ぎたクリニックでも承継案件があるのであれば、そのクリニックを承継するのはひとつの手段です。
もし同一科目での承継が可能な場合は機器やレイアウトをそのまま使用することが出来ますし、
既存の患者さんとの相性も良いため、ある程度の集患も見込めるでしょう。
承継前の開業開始時期から長期間市場性が確保出来ているのであれば今後も著しく集患率が落ちる可能性は低いと考えられますし、
ピークを過ぎたクリニックでも、クリニックの拡張が可能な立地であれば増築やレイアウトの変更を行い規模を拡大することで
大型クリニックのご開業と同様の承継を行うことが出来ます。
🍀
以上クリニック承継の特徴についてお話ししてまいりましたが、ここでひとつ体験談をご紹介いたします。
ある先生が、ご自身で見つけられた承継用のクリニックについて
「集患や売上の実績があるのに、あまりにも安い価格で売り出されているのは何故か」ということで、弊社へご相談に来られました。
そこで調べてみますと、そのクリニックがある地域はハザードマップ上では水害に遭いやすく、尚且つ実際に被害に遭ったこともある場所であることが発覚したのです。
近年は大雨による被害がよく話題になるため、その先生も危機感を覚え該当クリニックでの承継を考え直されました。
このように、
「既に目を付けている承継案件があるけれど、採算性がどうなのか知りたい」
「他のコンサルに案件を紹介されたけれど、他のコンサルの意見も聞いてみたい」
という先生方も、弊社にてセカンドオピニオンをすることが可能ですので、お気軽にご相談下さいませ。
弊社ではご新規のご開業だけではなく、承継案件に関しましても、クリニックを譲る側と承継する側双方の医師がお互いに利益を得られるように、
更に収益性の高い状態で承継出来るようにサポートさせて頂きます。
▼今回の内容はこちらの動画より抜粋しております!
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