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2023年2月17日

診療圏調査で分かることって?

みなさんこんにちは!医歯薬ネットです。

今回は診療圏調査についてお話ししてまいりたいと思います。

ご開業に向けて本格的に動き出されたら、まずは先生のご希望を伺いながら開業地の選定を行います。

この時に活躍するのが、診療圏調査です。

良い土地(テナント)を見つけてここで開業したいと思われた時、次のような疑問が浮かぶと思います。

・実際に開業したら、患者さんはどのくらい来るのだろうか?

・周辺にはどのようなクリニックがあるのだろうか?競合は何軒くらいあるの?

このような疑問を解消に導く手立ての一つが診療圏調査ですが、

なんとそれだけではなく、その地域に住む住民の特性も見えてくるのです。

本日は人口や世帯数から分析する診療圏の土地柄と住人の傾向について分析していきます。

診療圏調査で意識すべきポイント

今回は足立区綾瀬駅を例にして診療圏を見ていきます。

診療圏調査で土地柄や住民の傾向が見えてくるのは、以下のようなグラフからになります。

年齢区分別人口

これは、その地域に住む住民を15歳未満、15歳以上64歳未満、65歳以上に分けたグラフです。

1次、2次、3次とは診療圏調査を行う範囲のことで、

今回は綾瀬駅を中心に300m(1次)、700m(2次)、1km(3次)で数値を出しております。

1次診療圏には、15歳未満の方が514人住まわれているということです。

このグラフからは、全国平均と比べて労働生産人口(15歳以上64歳未満)が多く、

高齢者が少ないことが分かります。働く世代の方が多く住んでいる地域であることが見えてきます。

居住期間別人口

これは、その地域に住む平均的な居住年数によって分けたグラフです。

居住期間20年以上の割合が全国平均よりもグッと低くなり、流動性の高い地域であることが分かります。

ここでずっと長く住む、というよりは、途中で引っ越される方が多いのだと推測できます。

世帯人員別人口

これは、世帯別(何人暮らしなのか)によって分けたグラフです。

全国平均と比べると、一人暮らしの方が多いということが分かりますね。

ひとつ前にご説明した居住期間別人口では流動性の高い地域であることが読み取れましたが、

それと併せて考えると、単身世帯もしくは二人世帯(夫婦等)がここで数年暮らした後、

他の地域へ引っ越していると予想することが出来ます。

世代別単身世帯数

これは、20歳代、65歳以上、その他の世代で、一人暮らしの人がどのくらいいるのかというグラフです。

先ほどは世帯別のグラフでしたが、

これはその中でも単身世帯(一人暮らし)にフォーカスを当て、どの年代の一人暮らしが多いのか示しています。

全国平均と比べると高齢者の人口は少ない傾向のため、

内科系のクリニックの開業にはあまり向いていないかも・・・ということが推測されます。

住宅所有関係別世帯数

これは、その地域に居住している人の住宅形態を表わしたグラフです。

借家は賃貸住宅、給与住宅は社宅のことを指します。

持ち家に住んでいる人よりも賃貸住宅で暮らす人が多く、

更に社宅に住んでる人は全国と比べると圧倒的に多いことが分かります。

賃貸住宅のメリットは住み替えが簡単なところですし、社宅に半永久的に住む人は少数派かと思われます。

そのため永住目的でこの土地に住んでいる人よりは、

仕事のために一定期間住んでいる人が住民の大多数を占めることが推測出来ます。

診療圏分析の総括

以上のポイントから、綾瀬駅周辺の特徴を総括すると次のようになります。

・居住期間が短い人が多い

・働いている人が多い

・高齢者は少なめ

・一人世帯、二人世帯が多い

➡アパートやマンションを借りて一定期間この地域で働き、その後別の地域へ引っ越す人が多い傾向がある

ということが分かります。

端的に申しますと、流動性が高く、土着の人が少ない地域は

同じ患者さんが継続的に通院する可能性が低いため、開業する際には場所や診療科目をよく考える必要があります。

また、全国と比べて医療法人化しているクリニックが少ないという点からも、

経営状況と集患の厳しさは把握出来ることと存じます。

人口が多い地域=患者数が多い、というわけではありません。

「人口が多いからきっと人が来るだろう、この場所で開業したい」と思っていても、

土地柄や住人の傾向、標榜を希望する診療科目の相性が悪ければ集患は厳しくなってしまいます。

診療圏調査で得た結果を活用して、より集患率の高いクリニックを目指しましょう!

 

▼今回参考にした動画はこちら!

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