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勤務医継続か開業か?迷いを整理して納得の判断につなげる

公開日:2026年2月20日

勤務医継続か開業か?迷いを整理して納得の判断につなげる

勤務医を継続するか、開業するかは、医師人生の中でも大きな選択肢のひとつと言えます。

ただし、どちらを選択することが正解となるかは、先生の理想とされるライフプランによって異なります。
先生のご友人や知り合いにも、
開業をして成功をした人、開業したがやはり勤務医を続ければよかったという人など、様々な方がいらっしゃるのではないでしょうか?

周囲の成功談や失敗談など、先人となる先生方の体験談は大事な参考材料になりますが、
大切なことは、周囲の意見に振り回されすぎず、ご自身のやりたいことと、それが実現可能なのか、どう実現するのかを見極めることです。

今回は勤務医継続と開業のメリット・デメリットを考えるとともに、どちらの道に進むか迷われた際の意思決定のコツをお伝えしてまいります。

勤務医を続けることへの安心と不安

勤務医には、医療の最前線で経験を積み、技術を磨きながら患者さんに向き合えるという、医師ならではのやりがいがあります。
重症例も含めて「患者さんを救う医療」を実感しやすい点は、病院勤務における大きな価値といえます。  
また、一定の収入の見通しが立ちやすいことは、家計や教育費などを考えるうえで重要な安心材料になります。

一方で、勤務医を続けることにも不安はあります。
将来、主導的な立場に就けるかどうか。
勤務先の経営環境が厳しい中で、病院がこの先も安定して存続できるのか。
年齢に応じて働く場所やポストが確保できるのか。  

さらに、定年を迎えるなど現役を降りる年齢になった際、
その後の働き方や生活設計を鑑みて、勤務医のままでよいのかを考える先生も増えています。

開業への憧れと不安

開業は、診療体制、時間配分、組織運営といった裁量を得られる一方で、経営責任を全面的に負うことになります。
経営経験がないことへの不安や、初期投資として数千万円から数億円単位の借入をすることへの抵抗感も当然出てきます。
また、クリニックは病院と比較すると軽めの症状や慢性期疾患の診療がメインとなるため、
勤務医時代のように医療の現場にいるという実感はやや薄れてしまう可能性があります。

しかし、患者数や収益が伸びて経済的余裕ができること、
夜勤や当直がなくなり、プライベートな時間や家族との時間を確保しやすくなるという利点があることも事実です。

「勤務医なら今日の生活は守られるが、将来は不透明」
「開業は自由度があるが、不確実性が怖い」

勤務医継続と開業、どちらに対しても利点と懸念点があるからこそ、判断が難しくなるのは当然のことです。
そこでおすすめしたいのが、道具を使って思考整理を行うことです。

思考を整理する方法①:SWOT分析


まずひとつ目がSWOT分析です。
SWOT分析は、分析対象の内部環境と外部環境を
「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素で整理・分析するフレームワークです。

ビジネスの場で活用される機会が多く、事業の現状把握、戦略策定、市場機会の特定に役立ち、具体的な戦略立案が可能となります。
勤務医継続と開業について考える場合、それぞれ以下の要素について整理・分析していくことになります。

  • 内部環境(自分側)
    • 強み(Strength):得意領域、実績、働き方、価値観など
    • 弱み(Weakness):苦手領域、制約、経験不足、体力面など
  • 外部環境(環境側)
    • 機会(Opportunity):市場の変化、需要、キャリア機会など
    • 脅威(Threat):制度変更、地域環境、競合、病院や経営環境の変化など

これを「勤務医を続ける場合」と「開業する場合」の両方で作ります。

すると、迷いが「論点」に分解され、自分の中で何が懸念点になっているのかが見えやすくなります。

思考を整理する方法②:未来年表

ふたつ目が未来年表です。
人生は不確実な部分もありますが、年齢の進行やお子さんの入学、受験といった家族のライフイベントなど、ある程度確定されている部分もあります。  

そこで、Excelなどで構いませんので、下記を年表に落とし込んでみましょう。

  • 自分と家族の年齢推移(可能なら100歳まで)
  • 教育費などの大きな支出イベント
  • 住まい、旅行、やりたいこと
  • 収入の見通し、貯蓄目標
  • 仕事の節目(勤務継続/開業準備/開業時期)
  • 健康・趣味の目標

こちらも勤務医バージョンと開業医バージョンの2つを書き出します。
実際に起こり得るライフイベントだけでなく、夢や希望も含めて書き出していきましょう!
書き出すことで、開業の優先度を将来設計の中で検証しやすくなります。
将来についての考えは年々変化するため、年表は毎年更新することをおすすめします。

このように目に見えるかたちに書き出すことで未来を具体化し、
「叶えたい未来のために、これから何をすべきか」を整理することができます。

勤務医継続と開業の選択は「キャリア選択」ではなく「人生設計」です

勤務医継続か開業かは、どちらが正しいかではなく、先生にとって何を優先するかの問題です

まずはSWOT分析と未来年表に先生の考えを書き出して、
先生ご自身がこの先の人生で何を優先したいのかを検証しやすい形に可視化するところから始めてみましょう。

医歯薬ネットの情報交換面談

弊社では面談にて先生からお話を伺う際、無理に開業をお勧めすることはいたしません。
先生のライフプランによっては、開業形態や時期を見直していただいたり、勤務医継続をお勧めする場合もございます。

初回面談時は勤務医を続けることを選ばれたものの、数年後に再度ご面談に参加され、そこから開業に進まれる先生もいらっしゃいます。

ご自身のライフプランに迷われている先生、まずは個別面談に参加されるのもひとつの手です。

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